「フィルムって、意味あるんですか」
修理の受付で何度も聞かれる質問です。売っている側が「意味あります」と答えても、たぶん誰も信じません。なので、うちの店の数字をそのまま出します。
2022年2月から2026年8月までの4年7ヶ月で、保護ガラスフィルムは8,525枚売れました。同じ期間に受けた画面の修理は10,169件です。フィルムを売った枚数より、割れた画面を直した件数のほうが多い。これがスタート地点。

先に金額だけ置いておきます
フィルムの平均単価は1,943円でした。画面修理の平均は17,569円です。差は約9倍。
ただ、この「平均17,569円」はあまり親切な数字ではありません。機種によってまるで違うからです。実際に修理した機種別の平均金額を、件数の多いものから並べます。
| 機種 | 画面修理の平均 | 修理した件数 |
|---|---|---|
| iPhone 13 Pro Max | 41,245円 | 164件 |
| iPhone 13 Pro | 39,438円 | 185件 |
| iPhone 15 | 35,837円 | 108件 |
| iPhone 13 | 30,787円 | 210件 |
| iPhone 14 | 28,371円 | 183件 |
| iPhone 12 | 23,977円 | 250件 |
| iPhone 11 | 19,272円 | 560件 |
| iPhone XR | 16,591円 | 408件 |
| iPhone SE2 | 10,900円 | 838件 |
| iPhone 8 | 10,487円 | 420件 |
13 Pro Max の 41,245円 と、フィルムの 1,943円。ここだけ見ると21倍の開きがあります。同じ「画面を割った」でも、機種が違うだけで払う額がこれだけ変わる。修理料金表を見てから機種を選ぶ人はほとんどいませんが、本当は、選ぶ前に見た方がいい数字なんですよね。
先に「貼らなくていい人」から書きます
売る側がこれを書くのは変な話ですが、順番を逆にすると信用してもらえないので、先に書きますね。
フィルムを貼っても、落とし方によっては画面は割れます。フィルムが守れるのは「面で当たったとき」だけです。角から落ちて本体のフレームがゆがむと、その力は画面に直接いきます。うちに来る割れ方でいちばん多いのは、実はこの角からのパターンです。フィルムは無傷のまま、下の画面だけが割れている端末。何台も見てきました。
なので、こういう人は無理に貼らなくていい。
- すでに手帳型ケースなど、画面が閉じるケースを使っている人(落としたときに画面が地面に当たらない)
- SE2 や iPhone 8 のように、割れても1万円前後で直る機種を使っていて、貼り心地が嫌いな人
- 指紋認証(ホームボタン)の反応が鈍るのが我慢できない人
1,943円を4年払い続けても8,000円弱です。SE2 の修理が10,900円なら、その差は小さい。損得だけで言えば、貼らない判断も十分アリです。

逆に、貼っておいた方がいい人
ここははっきりしていて、修理代が3万円を超える機種を使っている人。
上の表でいうと iPhone 13 以降の Pro 系と iPhone 15。ここは1回割ると3〜4万円で、フィルム約20枚ぶんに相当します。1回防げれば元が取れる計算です。
それと、もうひとつ。画面のガラスだけが浅く割れている状態を放置している人です。割れた隙間からホコリと湿気が入ると、下の液晶やタッチセンサーまで巻き込みます。そうなると交換する部品が増えて、金額も上がる。沖縄は湿度が高いので、この進行、本土より早い印象があります。
ちなみにフィルムを選ぶとき、うちで実際に出ている内訳はこうでした。
- 普通の保護ガラスフィルム … 3,508枚(平均1,895円)
- フルカバータイプ … 3,009枚(平均1,950円)
- ブルーライトカット … 943枚(平均1,934円)
フルカバーと普通のフィルムはほぼ半々です。フルカバーは端まで覆えるぶん、ケースと干渉して浮くことがあります。浮いたまま使うと、そこから割れる。ケースを先に決めてからフィルムを選ぶと失敗が減ります。
店頭で貼る以外に自分で買う場合は、厚み0.3mm前後・硬度9H・貼り付けガイド枠が付いているものを選ぶと、気泡とズレでやり直す確率が下がります。ガイド枠があるかどうか。ここがいちばん大きいです。
画面保護ガラスフィルム(Amazon)
「最近のスマホは丈夫になった」は、数字の上では起きていません
年ごとの画面修理の件数です。
- 2022年 … 2,092件
- 2023年 … 2,089件
- 2024年 … 2,208件
- 2025年 … 2,136件
4年間、ほとんど動いていません。ガラスの強度は世代ごとに上がっているはずですが、画面が大きくなって重くなり、落ちたときのエネルギーも増えている。差し引きゼロ。それが数字の見え方です。
それでも割ってしまったら
フィルムを貼っていても、割れるときは割れます。そのときは、割れたまま使い続ける時間をできるだけ短くしてください。画面割れ修理は当日中に終わることがほとんどです。
それと、修理代が3万円を超える機種を使っていて、年に1回以上落としている自覚がある人は、修理費用を補償するサービスを検討してもいいと思います。うちの店としては修理に来てもらった方がありがたいのですが、13 Pro Max の41,245円を自腹で払うより、月額数百円で備えておく方が合理的な人は、確実にいます。
スマホ保険
フィルムを貼るかどうかは、結局「自分の機種がいくらで直るか」を知っているかどうかで決まります。金額を知らないまま「なんとなく貼らない」。これがいちばん高くつきます。
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