スマホ119 専務の現場ノート
専務ブログ現場から、次の119へ。
壊れたiPhoneを自分で直したあの日から、修理ひと筋で11年。いまは専務として全店舗の現場を回り、仲間の技術と心に火をつけるのが仕事です。スマホ119を責任持って引っ張っていく覚悟と、現場で起きているリアルを、そのまま書いていきます。
- 修理歴 11年たたき上げ
- 全 8 店舗現場を統括
- 育てる仲間と技術
背中で教えて、言葉で渡す。
こんにちは!スマホ119で専務をしています、富村レオです(^^)
まずはお知らせから。7月の終わりから毎日書いてきた「レトロゲーム機 改造図鑑」の携帯機編、全33回でひと区切りとお伝えしました。ゲームボーイからスイッチまで、手のひらに乗る機械はだいたい書けました。
で。今日からは据置編をやります。また毎日で(笑)
だって、押し入れに眠っているのは携帯機だけじゃないんですよね。テレビの下にあった、あの重たい箱たち。あれの話をまだ一度もしていない。
一回目は、もうこの機械しかないでしょう。

①あの頃 — 1983年、14,800円
ファミリーコンピュータ。型番はHVC-001。発売は1983年7月15日、定価は14,800円でした。
消費税が入るのは1989年4月。この値札には税込も税別もありません。
ちなみに僕が生まれる14年前の機械です。影も形もない(笑)
②遊んでた — というより、あとから触らせてもらった
代表作を3本だけ挙げます。
- スーパーマリオブラザーズ(1985)— 横スクロールアクションの「走る・跳ぶ」の型を作った一本。以降の2Dアクションは、だいたいここの教科書を読んでいます
- ドラゴンクエストIII そして伝説へ…(1988)— 職業を選んでパーティを組むRPG。発売日に行列ができて、社会現象になったやつです
- グラディウス(1986)— アーケードの横シューティングの家庭移植。カプセルを溜めて、どのパワーアップを取るか自分で選ぶ方式
ただ、僕が実際にコントローラーを握ったのは、ずいぶん後になってから。修理で入ってきた個体の動作確認とか、そういう出会い方です。「当時ハマってました」とは口が裂けても言えません(笑)
父が新しもの好きで、家には常に最新の機械がありました。だから古いものは、いつも後追い。中古を自分のものにする感覚は、あの頃から変わっていません。

③開けてみる — 部品が目で読める世代
上のフタを開けると、まず金属のシールド板。その下に、CPU(RP2A03)と、映像を作るPPU(RP2C02)が基板へ直付けされています。
ここが今の機械と決定的に違うところで、足の生えた部品なんですよ。表面実装のちっちゃいチップじゃなく、ムカデみたいな足が基板に刺さっている。型番も肉眼で読める。スマホの基板を毎日顕微鏡でのぞいている身からすると、なんというか、のびのびしている(笑)
電源はACアダプタで9Vを入れ、中の三端子レギュレータで5Vに落とす方式。この部品がなかなか熱を持ちます。カセットの受け口は60ピンのエッジコネクタ。コントローラーは本体に直はんだで、断線しても差し替えられません。
映像出力はRF、つまりアンテナ端子のみ。ここ、あとで効いてきます。
④今、壊れるとこ — 「息を吹く」の正体
画面がチラつく。映らない。音だけ出る。この三大症状、ほぼ全部が60ピンのカセットコネクタです。
接点のメッキが薄いところへ、40年ぶんの酸化とバネのヘタリが乗る。挿さっているのに、接触していない。
で、ここからが今日の本題。カセットにフーッと息を吹いてから挿すと直る、あの儀式。あれ、逆効果なんです。
息には水分が含まれています。湿気を足したら、酸化は進む方向。じゃあなぜ直ったように見えたのか。抜き差しでコネクタと端子がこすれて、一瞬だけ導通が戻っていたからです。効いていたのは息じゃなく、挿し直しのほう。
沖縄の湿気の話を前に書きましたけど、あれを自分の口でやっていた、ということですね(笑)
ほかに多いのは、このあたり。
- 電解コンデンサのドライアップ — 映像に横線のノイズ、音が痩せる
- 三端子レギュレータの発熱 — 周りの部品が先に劣化していく
- コントローラーのボタン裏、導電ゴムの摩耗 — AB連打で酷使された個体は特に
- そもそもRF出力しかない — 直っても、今のテレビに映せない
最後のやつが地味に厄介です。壊れていないのに、遊べない。


⑤改造メモ
やる価値が高い順に。
- 60ピンコネクタを新品に交換。これだけで接触不良の9割が消えます
- AV出力化。コンポジットやS端子を増設して、今のテレビへつなぐ
- 電解コンデンサの全交換
- 導電ゴムの交換。または導電塗料でボタンを復活させる
逆に、うちが「やめておいてください」と言っているものが2つあります。
ひとつはACアダプタ。純正はセンターマイナスという、今では珍しい極性です。汎用アダプタを刺して壊す事故が定番なので、極性が確認できないなら通電しないでください。
もうひとつがレトロブライト。過酸化水素と紫外線で黄ばみを抜くやつですね。ファミコンは白とえんじ色なので、白側だけ黄ばみます。抜きたい気持ちは分かります。ただ樹脂が脆くなるうえ、数年でまた黄ばんでくる。店としては非推奨です。どうしてもという方は、持って来てください。

で、なぜ修理屋がこの話をするのか
1983年の機械の故障って、今のスマホと地続きなんですよ。
接点が酸化して認識しない。コンデンサが抜けて音がおかしい。熱を持つ部品の周りから先に死んでいく。全部、現役の話です。うちで毎日やっているSwitchのスティック交換や充電口の修理だって、原理は同じ。汚れて、減って、外れる。
40年前の機械を直せる人間が、今のスマホもゲーム機も直しています。というより、順番は逆かも。古い機械で練習させてもらったから、今の機械が直せる。僕の場合は完全にそれです。
押し入れのファミコン、電源を入れる前に一度見せてください。県内8店舗、お近くの店舗でどうぞ。もう遊ばないと決めた機械なら買取もやっています。修理の目安は修理料金表にまとめてあります。
明日は、そのファミコンの上に乗っかっていた機械。ディスクシステムです。ゴムベルトが飴になる話をします(笑)

スマホ119は沖縄県内に8店舗を構えるスマホ・iPhone修理店です。スマホだけでなく、ゲーム機(Switch・PS・3DS・PSP等)の修理・買取も承っています。
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