スマホ119 専務の現場ノート
専務ブログ現場から、次の119へ。
壊れたiPhoneを自分で直したあの日から、修理ひと筋で11年。いまは専務として全店舗の現場を回り、仲間の技術と心に火をつけるのが仕事です。スマホ119を責任持って引っ張っていく覚悟と、現場で起きているリアルを、そのまま書いていきます。
- 修理歴 11年たたき上げ
- 全 8 店舗現場を統括
- 育てる仲間と技術
背中で教えて、言葉で渡す。
こんにちは!スマホ119で専務をしています、富村レオです(^^)
今日は機種の回じゃなくて横断回。据置機を語る前に、片づけておきたいテーマがあります。テレビのほうです。
「押し入れから光線銃のソフトが出てきて、今のテレビで遊ぼうとしたら当たらない」。この相談、よく来ます。銃が壊れたと思って持ち込まれる方も。
先に答えを。それ、たぶん故障じゃないです。

ブラウン管を今も探す人がいる、三つの理由
懐かしさだけだろう、と思われがちなんですが。理由は三つあります。
- 表示の遅れが、ほぼ無い
- 当時の絵は、ブラウン管で見る前提で描かれていた
- 光線銃が、液晶では原理的に動かない
① 信号が来た瞬間に、光る
ブラウン管(CRT)は、入ってきた信号でそのまま電子ビームを走らせ、蛍光体を光らせる装置です。ほぼ純アナログ。信号が届いた瞬間に光るので、「表示遅延」という概念自体が薄いんですよ。
今の液晶や有機ELは違います。内部で必ず信号処理を通します。A/D変換、スケーリング、インターレース解除、画質補正。この工程を通る分だけ、1フレームから数フレーム遅れる。
テレビ側の「ゲームモード」は、この画質補正を省いて遅れを詰める設定です。効果はあります。ただ、ゼロにはならない。当時の感覚でアクションやシューティングをやりたい人がブラウン管に戻る、一番の理由がここ。

② 当時の絵は、走査線ごしに見る前提だった
家庭用の据置機の多くは、240pという映像を出します。水平がおよそ15.7kHz、およそ60Hz、およそ262ライン。インターレースしない映像です。
これをブラウン管に映すと、走査線と走査線の間に黒い隙間ができる形で表示されます。この隙間が、荒いドットの粗さを隠してくれる。
しかもコンポジット出力の色にじみ(ドット妨害)を逆手に取ったソフトまであります。本来は出せない中間色を作ったり、網目模様を透けて見せたり。にじみ込みで絵を作っていたんですよ。
だから液晶にドットのまま拡大すると、当時の絵とは別物になります。懐古趣味じゃなくて、絵の前提条件の話なんですよね。

③ 光線銃は、画面の光をタイミングで測っている
本題。仕組みが分かると、当たらない理由も一発です。
ファミコンの光線銃は1984年2月18日のワイルドガンマンほか、光線銃シリーズで使われました。僕が生まれる13年前。銃は本体前面の15ピン拡張端子に挿します。
引き金を引いた瞬間、ゲーム側は画面を1フレームだけ真っ黒にします。続くフレームで、的の位置だけを白く描く。銃口のフォトダイオードは「明るいか暗いか」しか返しません。でも本体は何フレーム目に光を検出したかを見て、どの的を狙っていたかを判定できます。
スーパーファミコンのスーパースコープは赤外線のワイヤレス方式。それでも判定は、同じく画面の光を検出するタイミング頼みです。
PS系のガンコンはもう一段進んでいて、電子ビームが今どこを走っているかと光を検出した時刻の差から、X/Y座標そのものを計算します。
どの方式も前提は同じです。「電子ビームが左上から右下へ順に走り、そこだけが一瞬光る」こと。

液晶は、面全体が同時に光り続ける
ところが液晶は、面全体が同時に光って、次の書き換えまで光り続けます。走るビームが無いので、座標が出せない。そのうえ例の表示遅延で、光った瞬間が本体の判定窓からずれます。当たらないどころか、銃を認識すらしない場合も。
設定でも相性でもなく、原理の問題です。ここだけは何をしても変わりません。
ちなみに、ブラウン管なら必ず動くとも言い切れません。後期のデジタル処理が入ったフラット管では、動かない個体があります。業務用のマスターモニタが人気なのは、RGBを直接受けられて余計な処理が挟まらないから。

専門用語をひとつだけ。ブラウン管はインパルス型(一瞬光って消える)、液晶はホールド型(表示し続ける)と呼ばれます。目は動く物体を追うので、ホールド型は残像が網膜側で伸びてぼやける。「動きがもっさりする」の正体は、たいていこれです。応答速度の数字とは別の話ですよ。
ここは店として言い切ります。中は触らないでください
危ない話も、正直に書きます。
ブラウン管は、電源を切ってもブラウン管本体(アノード)に数万ボルト級の電荷が残ります。裏蓋を開けて中を触るのは、レトロゲーム関連でいちばん人が死に近づく作業です。
うちは非推奨ですし、店でも受けません。直せる直せない以前に、扱わない決まりです。
重さも21型で30kg級。処分は家電リサイクル法の対象です。もらう前に運搬と処分まで考えてください。ここでつまずく人、多いので。

家からブラウン管が消えた日
地上デジタル放送への完全移行が2011年7月24日。岩手・宮城・福島は2012年3月31日でした。僕は13歳。ここでアナログチューナー内蔵テレビの新規販売が実質的に終わり、家庭から一気に消えました。今の中古は「もう作られない在庫」を分け合っている状態です。
では、本当に故障している場合は
液晶で当たらないのは故障じゃない。じゃあ、本当の故障はどこに出るか。
- 光線銃側の断線。ケーブルの根元は、経年と引っ張りで必ず弱ります
- 拡張端子の接触不良。挿し直すと反応が変わる場合はここ
- 本体側の映像出力不良。そもそも画が出ない、色が出ない
この三つはうちで見られます。ブラウン管の内部だけは受けません。お近くの店舗へどうぞ。据置機の修理はPS修理のページも参考に。金額は修理料金表で。
押し入れの本体・光線銃・ソフトは、動かないと思っていてもスマホ買取で査定できます。
最後にひとつ。遅延と表示は別の話、はスマホでも同じです。画面交換でタッチの反応が変わるのは、映る品質と反応する品質が別物だから。うちがパネルにこだわる理由は、そこなんですよ(^^)
明日は図鑑に戻ります。黄ばみと、セーブ電池の話!
スマホ119は沖縄県内に8店舗を構えるスマホ・iPhone修理店です。スマホだけでなく、ゲーム機(Switch・PS・3DS・PSP等)の修理・買取も承っています。
画面割れ・バッテリー・水没・データ復旧など、お気軽にご相談ください(^^)
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