スマホ119 専務の現場ノート
専務ブログ現場から、次の119へ。
壊れたiPhoneを自分で直したあの日から、修理ひと筋で11年。いまは専務として全店舗の現場を回り、仲間の技術と心に火をつけるのが仕事です。スマホ119を責任持って引っ張っていく覚悟と、現場で起きているリアルを、そのまま書いていきます。
- 修理歴 11年たたき上げ
- 全 8 店舗現場を統括
- 育てる仲間と技術
背中で教えて、言葉で渡す。
こんにちは、専務の富村レオです(^^)
改造図鑑、第21回。第2弾のラストです。
ここまで、いろんな機種の壊れ方を書いてきました。今日は角度を変えて、みなさんがいちばん気になるであろう話をします。
押し入れのゲーム機、いくらで売れるのか。
うちは修理屋ですが、買取もやっています。査定する側の目線で、正直に書きます。

まず、大前提を2つ
1.動かなくても、売れることがあります
これがいちばん誤解されています。
「壊れてるから、捨てるしかないよね」と言われることが本当に多いんですが、そんなことはありません。
理由は単純で、部品取りとしての価値があるからです。
この連載で書いてきたとおり、レトロ機の修理では交換部品が手に入らないのがいちばんの壁です。バーチャルボーイやワンダースワンの回で書きましたね。
だから、画面が割れていても基板は生きている、電池は死んでいても殻はきれい、という個体には値段が付きます。
捨てる前に、いちど見せてください。 これが今日いちばんのお願いです。
2.箱と説明書があると、けっこう変わります
レトロゲームの世界では、付属品の有無が値段にかなり効きます。
- 外箱
- 説明書
- 専用の充電器・ケーブル
- 本体を包んでいた袋や仕切り
とくに専用ケーブルは重要です。PSP goやゲームボーイミクロの回で書いたとおり、独自形状の充電器は今となっては入手困難で、本体があってもケーブルがなくて動かせないという状況が起きます。
押し入れを探すときは、本体だけでなく箱の中も全部持ってきてください。
査定で、どこを見ているか

ここは企業秘密…というほどのものでもないので、普通に書きます。
1.電池の液漏れ(最重要)
いちばん最初に見ます。電池ボックスを開けます。
ここが白い粉や緑青でやられていると、値段は大きく下がります。第1回で書いたとおり、漏れた液は端子だけでなく基板の奥まで回ることがあるからです。
逆に言うと、電池さえ抜いてあれば、それだけで評価が上がるということです。
2.内蔵バッテリーの膨張
電池が内蔵されている機種(GBA SP以降のほとんど)は、ここを見ます。
フタが浮いていないか、置いたときにカタつかないか。膨らんでいると、本体の歪みや画面の浮きまで進んでいることが多いです。
3.画面の状態
- ドット抜け・線
- 焼き付き(有機ELのVitaなど)
- 傷、黄ばみ
4.動作確認
電源が入るか、ボタンが全部効くか、音が出るか、ソフトを読むか。
GBAのLRボタンや3DSのスライドパッドみたいな「その機種の定番故障」は、必ず確認します。
5.外装の状態
傷、汚れ、シール跡、日焼けによる変色。
とくに白い機種の日焼けは目立ちます。押し入れの中でも、窓際だとやられていることがあります。
売る前にやると、値段が変わる3つのこと

ここが実用的な話です。難しいことはしなくていいので、この3つだけやってください。
1.電池を抜く(今すぐ)
もう何回書いたか分かりませんが、これです。
売る予定があるなら、今日抜いてください。一日でも早いほうが被害が小さい。
すでに漏れている場合は、無理にこすらないでください。粉が基板側に落ちることがあります。そのまま持ってきてもらったほうが安全です。
2.軽く拭く(強くやらない)
表面のホコリを、乾いた柔らかい布で軽く拭く。それだけで印象が変わります。
ただし、やりすぎ厳禁です。
- アルコールで強く擦る → 印刷やロゴが消えます(これは値段が下がります)
- 研磨剤入りのクリーナー → 光沢が死にます
- 水拭き → 中に入ります
乾いた布で、軽く。 それ以上はやらないでください。
3.付属品を全部そろえる
さっき書いたとおりです。箱、説明書、ケーブル、ソフト。
あとソフトも一緒に持ってきてください。本体だけよりまとめたほうが、査定がしやすいです。
逆に、やらないほうがいいこと

これも大事なので書いておきます。
× 動かないから、と自分で分解する
気持ちは分かります。この連載を読んでくださっている方なら、なおさら(笑)
ただ、売るつもりなら分解しないほうがいいです。
ネジを舐めた跡、爪の折れ、シールの剥がれ。こういうのは査定でマイナスになります。
自分で直して使うなら大歓迎です。でも売るなら、そのままが正解です。
× 膨らんだ電池を、自分で取り出す
SPの回で書いたとおりです。危ないので、やめてください。
膨らんだ電池は、押す・曲げる・刺すで発熱や発火のおそれがあります。そのまま持ってきてください。
× 「どうせ二束三文だろう」と自己判断で捨てる
これがいちばんもったいないパターンです。
この連載で扱った機種でいうと、生産期間が短かったものや数が少なかったものは、状態が悪くても値段が付くことがあります。
売れないと決めるのは、見てからで遅くないです。
ちなみに、どんなものが多いか

うちに持ち込まれるもので多いのは、こんな感じです。
- DS系(DS Lite・DSi・3DS)— 数が多いので、状態がものを言います
- PSP系 — 背面フタを開けるだけで電池が見えるので、状態確認が早い
- ゲームボーイ系 — 液漏れ率が非常に高い。逆に、きれいな個体は喜ばれます
- ソフトのまとめ売り — 箱なしバラでも、まとめてなら
あと、意外と見落とされるのが周辺機器です。
専用の充電器、拡張パーツ、通信ケーブル、収納ケース。これ単体でも需要があります。本体を処分してしまってケーブルだけ残っている、という方も、ぜひ。
正直に言うと、値段は約束できません
ここは誠実に書いておきます。
「この機種はいくら」と断言できないんですよ。理由は、
- 状態で大きく変わる(同じ機種でも数倍違うことがあります)
- 相場が動く(レトロゲームの価格は、年々上がっているものもあれば落ち着くものもある)
- 付属品の有無で変わる
なので、まず見せてくださいとしか言えません。
ただ、ひとつ約束できることがあります。
値段が付かないものは「付かない」と正直に言います。
そのうえで、処分に困るようなら相談に乗ります。「安く買い叩いて黙っている」ということはしません。
これは社長がブログで書いていることとも同じで、うちがずっと大事にしているところです。
第2弾、ここまでありがとうございました

21回にわたって、いろんな機械を開けてきました。
第1弾では1989年から2006年まで、第2弾では2008年以降のDSi・3DS、そしてソニー勢や他社の名機まで。
あらためて全部を並べて思うのは、やっぱりこれです。
壊れるのは、動くところと、電気を貯めるところ。
ヒンジ、スライド、ボタン、スティック。そして電池、コンデンサ、接着。
30年前も今も、まったく変わっていません。だから僕は、古い機械を開けることが今のスマホを直す仕事に直結していると本気で思っています。
そして、この連載でいちばん伝えたかったのは、たぶんこの一行です。
押し入れの機械、電池だけでも抜いてください。
それだけで、その機械が「まだ直せる側」に残ります。
スマホ119では、スマホ・iPhoneの修理はもちろん、ゲーム機の修理と買取もやっています。動かないものでも、まずは見せてください(^^)
第3弾も、そのうち始めます。今度はもう少し、僕自身の話も書いてみようかなと思っています。ありがとうございました!
スマホ119は沖縄県内に8店舗を構えるスマホ・iPhone修理店です。スマホだけでなく、ゲーム機(Switch・PS・3DS・PSP等)の修理・買取も承っています。
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