スマホ119

専務ブログ

沖縄のスマホ修理のお医者さん

スマホ119 専務の現場ノート

専務ブログ現場から、次の119へ。

壊れたiPhoneを自分で直したあの日から、修理ひと筋で11年。いまは専務として全店舗の現場を回り、仲間の技術と心に火をつけるのが仕事です。スマホ119を責任持って引っ張っていく覚悟と、現場で起きているリアルを、そのまま書いていきます。

専務スマホ119 専務 富村 レオ
  • 修理歴 11たたき上げ
  • 8 店舗現場を統括
  • 育てる仲間と技術
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専務の富村レオが店舗の作業台でスタッフ2人に修理技術を指導しているイラスト 背中で教えて、言葉で渡す。
メモリーカードがゲーム機になった日。ポケットステーション|改造図鑑㉕
2026.08.23 0

こんにちは、専務の富村レオです(^^)

改造図鑑の第25回。前回は「携帯機をテレビで」という話でしたが、今日は逆です。据置機のデータが、ポケットに入って外へ出た話。

ポケットステーション。プレイステーションのメモリーカードが、そのままゲーム機になった機械です。

メモリーカードがゲーム機になったポケットステーションを紹介する4コマ漫画

1999年、手のひらの白い卵

発売は1999年1月23日。定価は3,000円でした。

僕はこのとき1歳です。記憶があるわけがない(笑)。なのでこの機種も後追い組なんですが、調べれば調べるほど面白い機械なんですよ。

見た目は、白くて小さな卵型。プレステのメモリーカード差込口にそのまま挿さるサイズで、なのに32×32ドットの小さな液晶と、ボタンと、時計と、赤外線通信まで積んでいる。

メモリーカードとしてセーブを預かりながら、単体でも小さなゲームが動く。「データ置き場」だった部品が、急に生き物になったわけです。

トロが、時代を連れてきた

ポケットステーションといえば、やっぱり『どこでもいっしょ』です。

白いネコのトロに言葉を教えるゲーム。プレステ本体で遊んだ内容の続きを、ポケステに連れ出して、電車の中でも育てられる。トロが覚えた変な言葉に笑う、という遊びが大流行しました。

『ファイナルファンタジーVIII』の「おでかけチョコボRPG」も有名ですね。ポケステ側でチョコボを冒険させて、拾ってきたアイテムが本編に反映される。本編とおまけが行き来する設計は、当時としてはかなり未来でした。

人気がすごすぎて、しばらく品薄で買えない機械としても有名だったそうです。

1999年、電車の中で小さな卵型ゲーム機を育てる人々の情景イラスト

開けてみる

中身は驚くほどシンプルです。フラッシュメモリと、小さな頭脳と、液晶と、CR2032のボタン電池

この連載の第3回で、ポケモン金銀のセーブがカセット内のボタン電池切れで消える話を書きましたが、ポケステも同じ電池で動いています。ただし決定的な違いがあって、ポケステのセーブデータはフラッシュメモリ側に入っている。だから電池が切れても、データ自体は基本残るんです。

電池が切れて困るのは、時計とゲームの動作のほう。ここの設計は、正直かなり堅実だと思います。

ポケットステーションの内部構造とセーブデータがフラッシュメモリに残る仕組みの図

今、壊れるとこ

  • 電池切れ。まずこれ。時計がリセットされる、単体ゲームが起動しない、はだいたい電池です。CR2032はコンビニでも買えるので、交換すれば済む話
  • 電池蓋のツメ割れ。小さい機械の宿命。開け閉めで欠けます
  • 液晶のにじみ・線。27年前の小型液晶なので、個体差が出ています
  • 端子の接触不良。メモリーカードとして認識されないときは、まず端子の清掃から

逆に、フラッシュメモリ自体は意外と丈夫で、四半世紀前のセーブデータがちゃんと読める個体も多いです。当時のトロが、まだ中で言葉を覚えている。ちょっとぐっと来ませんか(^^)

ポケットステーションで起きやすい電池切れや電池蓋割れなどの故障ポイント図

改造メモ

ポケステは改造でいじり倒す機械というより、電池交換と接点整備で「保つ」機械です。

やることは地味です。電池を替える、端子を無水エタノールで拭く、電池蓋が割れていたら補修する。それだけで、押し入れから出てきた個体がだいたい目を覚まします。

クリア筐体のバージョンもあって、例によって僕はそっちが好きです。中身が見える機械に弱いんですよ、この連載の読者ならもうご存じのとおり(笑)

電池交換と接点清掃でポケットステーションを保つ整備の図

データを連れて歩く、という発想

ポケステがやったことって、要するに「データに足が生えた」なんです。セーブデータが家から出て、ポケットの中で育つようになった。

今のスマホは、その究極形じゃないですか。写真も連絡先も思い出も、全部ポケットの中で生きている。だからこそ、消えたときのダメージも桁違いです。データ復元の相談を受けるたびに、データは機械より重い、といつも思います。

27年前の白い卵は、その未来をちょっとだけ先にやっていました。

セーブデータを持ち歩く発想が現代のスマホにつながっていることを示す図

プレステ関連の修理はPS修理で受け付けています。押し入れのポケステ、電池を入れ替えたらトロに会えるかもしれませんよ。

次回は、育てる携帯機の元祖。たまごっちの話です。


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