スマホ119 専務の現場ノート
専務ブログ現場から、次の119へ。
壊れたiPhoneを自分で直したあの日から、修理ひと筋で11年。いまは専務として全店舗の現場を回り、仲間の技術と心に火をつけるのが仕事です。スマホ119を責任持って引っ張っていく覚悟と、現場で起きているリアルを、そのまま書いていきます。
- 修理歴 11年たたき上げ
- 全 8 店舗現場を統括
- 育てる仲間と技術
背中で教えて、言葉で渡す。
こんにちは、専務の富村レオです(^^)
レトロゲーム改造図鑑、5回目。今日はゲームボーイアドバンスSPです。
そして今回は、この連載でいちばん真面目に読んでほしい回かもしれません。
押し入れに古いゲーム機がある人、ちょっとだけお付き合いください。

2003年、ついに画面が光った
発売は2003年2月14日。価格は12,500円。
このとき僕は5歳。幼稚園に上がる前です。
そして正直に言うと、この機種は僕にとってちょっと特別なんですよ。父からもらったんです。
当時、家族で那覇のマンションに住んでいました。それを持って外に出たら…マンション中の子どもが集まってきたんです(笑)
「見せて」「貸して」「なにそれ光ってる」。もう大変なことになりました。あのときの、囲まれてワーッとなる感じ。よく覚えてます。
今思うと、あれが僕が「機械って人を集めるんだ」と知った最初だったのかもしれません。
前回書いたとおり、アドバンスの最大の弱点は画面が暗いことでした。街灯を探し、電気スタンドの下に潜り込んだ、あれです。
SPは、それを3つまとめて解決してきました。
1.画面が光る
フロントライトが内蔵されました。ボタンひとつでライトのオンオフができる。
暗い部屋で遊べる。布団の中で遊べる。親に見つからずに遊べる(笑)
いや、これ本当に革命だったんですよ。当時の子どもにとっては。
2.折りたためる
パカッと二つ折りになる形。これで画面が守られるようになりました。
それまでのゲーム機は、画面がむき出しでランドセルに放り込まれていたわけです。傷だらけになって当然。
折りたたむだけで、画面は自分で自分を守れる。シンプルですが、よくできた設計だと思います。
3.充電池が内蔵された

そしてこれ。乾電池が要らなくなりました。
本体にリチウムイオン電池が入っていて、充電器を差せば繰り返し使える。約10時間遊べて、約3時間で満充電。
今のスマホと同じ考え方が、ここで携帯ゲーム機に入ってきたわけですね。

ちなみに、後から出たAGS-101という後期型は、フロントライトじゃなくバックライトになっていて、さらに明るくキレイです。中古で探すなら、こっちを狙う人が多い。
見分け方は、本体を裏返して型番を見るのが確実です。
この時代、何を遊んでいたか
ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン
2004年。初代の赤・緑を、アドバンスの性能で作り直した作品です。
僕にとっては「初代を初めてちゃんと遊んだ」のがこれ。生まれる前に出たゲームを、リメイクで体験するという、ちょっと不思議な体験でした。
この連載でやっていることと、似てるかもしれませんね(笑)
MOTHER1+2
2003年。ファミコンの名作2本を1本にまとめたもの。
子どもの頃に遊んで、正直よく分からないところもあったんですけど、なぜかずっと心に残ってる。大人になってから「ああ、そういう話だったのか」と分かるタイプのゲームでした。
ロックマンエグゼシリーズ
これはハマりました。ネットの世界に潜って戦うという設定が、当時めちゃくちゃ新しかった。
友達と通信ケーブルでつないで対戦するんですが、デッキの組み方で個性が出るんですよ。強いカードを持ってるやつが勝つとは限らない。あの感じが好きでした。
本題:20年前の充電池は、どうなっているか
さて、ここからが本題です。今日いちばん伝えたいこと。
SPにはリチウムイオン電池が内蔵されています。今のスマホと、基本的に同じ種類の電池です。
そして発売から、もう20年以上経ちました。
結論から書きます。
20年前のリチウムイオン電池は、かなりの確率で膨らんでいます。

なぜ膨らむのか
リチウムイオン電池は、中で化学反応を起こして電気を出しています。
これが長い年月のあいだに少しずつ変質して、内部でガスが発生するんです。電池は密閉されているので、逃げ場のないガスが袋を内側から押し広げる。それが「膨らむ」の正体です。
ここで大事なのが、使っていなくても進むということ。
押し入れで20年眠っていた個体でも、劣化は止まっていません。むしろ満充電のまま、あるいは空っぽのまま長期間放置されるのがいちばん電池に悪いんです。
膨らんだ電池は、何が危ないのか
正直に書きます。ここは怖がらせたいわけじゃなく、知っておいてほしいだけです。
- 力を加えると危険。膨らんだ電池を押したり、曲げたり、刺したりすると、発熱・発火することがあります
- 本体を壊す。中から押し広げるので、液晶が浮いたり、外装が割れたりします
- 症状が分かりにくい。フタが少し浮いている、置くとカタカタ揺れる、ボタンが妙に硬い。そのくらいの違和感で始まります
やってはいけないことを、はっきり書いておきます。
膨らんだ電池を、自分で無理に取り出そうとしないでください。
とくに、ドライバーやカッターでこじる、金属のヘラで剥がす。これが一番危ない。中身を傷つけると本当に燃えます。
そして普通のゴミに出さないこと。自治体や回収ボックスのルールに従って処分してください。
じゃあ、どうすればいいか
いちばん簡単で効果的なのは、これです。
押し入れの古い機械から、電池を抜いて保管する。
乾電池の機種なら、電池を抜くだけ。これで液漏れの被害はほぼ防げます。この連載で毎回書いているのは、そのためです。
内蔵電池のSPのような機種は、抜くのに分解が必要なので、無理はしないでください。ただ、今どうなっているかを見ておくだけでも意味があります。フタの合わせ目が浮いていないか、確認してみてください。
これ、スマホでもまったく同じ話です

ここまで読んで、「うちのスマホは大丈夫かな」と思った人。
正直に言うと、スマホのほうがもっと身近な問題です。
うちの店に、こういうお相談がよく来ます。
- 画面のふちが、なんか浮いてきた
- 机に置くと、カタカタする
- ケースに入らなくなった
- 急に電源が落ちるようになった
これ、かなりの確率でバッテリーが膨らんでいます。
画面が浮くのは、中から電池が押しているからです。放っておくと画面が割れますし、そのまま使い続けるのは危ない。
ゲーム機は20年でこうなりますが、スマホの場合はだいたい2〜3年、早ければもっとで劣化が目に見えてきます。毎日充電しているぶん、サイクルが早いんですよ。
だから僕らは、膨らむ前に交換しましょうと言い続けています。膨らんでから来ると、画面まで一緒に交換になって高くつくことが多いので。
バッテリー交換は、うちで日常的にやっている作業です。「まだ大丈夫かな?」と思ったら、見るだけでもどうぞ(^^)
改造メモ:SPは、電池交換から入るのがいい

SPの改造・整備で最初にやるべきは、間違いなくバッテリー交換です。
理由は単純で、電池が生きていないと何も始まらないから。
幸い、SPの電池は交換できる作りになっています。裏側のネジを外して、フタを開けて、差し替える。手順としては素直なほうです。
ただし、膨らんだ電池を扱うことになるので、絶対に力ずくでやらないこと。ここだけは繰り返します。
それ以外の定番だと、
- 後期型の明るい液晶に載せ替える(見え方が別物になります)
- ヒンジまわりの補修。折りたたみ機構は、開け閉めのたびに細いケーブルが曲がるので、ここが断線すると画面が映らなくなる
- 殻の交換で見た目を復活
ヒンジのケーブル断線は、SPで地味に多い故障です。「開く角度によって画面が消える」なら、まずここを疑います。
これも、折りたたみスマホでまったく同じ議論がされてるんですよね。動く部分がある機械は、そこが必ず弱点になる。2003年から変わってません。
電池は、静かに古くなる
前回は「ボタン電池は何も言わずに切れる」と書きました。
今回のリチウムイオン電池は、逆です。ちゃんとサインを出してくれます。
膨らむ。もちが悪くなる。急に電源が落ちる。熱くなる。
これ、機械が「そろそろ替えて」と言ってるんですよ。それを見逃さないでほしいなと思います。
古いゲーム機を開けるたびに思うんですけど、電池だけは、どうやっても時間に勝てないんですよね。基板は30年後でも掃除すれば動く。液晶も交換できる。でも電池は必ず寿命が来る。
だからこそ、替えられるうちに替える。それだけで、大事な機械はずっと長く使えます。
次回は、ついにニンテンドーDS。2画面、タッチペン、マイク。誰も予想しなかった形で出てきた、あの怪物の話です(^^)
スマホ119は沖縄県内に8店舗を構えるスマホ・iPhone修理店です。スマホだけでなく、ゲーム機(Switch・PS・3DS・PSP等)の修理・買取も承っています。
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