スマホ119 専務の現場ノート
専務ブログ現場から、次の119へ。
壊れたiPhoneを自分で直したあの日から、修理ひと筋で11年。いまは専務として全店舗の現場を回り、仲間の技術と心に火をつけるのが仕事です。スマホ119を責任持って引っ張っていく覚悟と、現場で起きているリアルを、そのまま書いていきます。
- 修理歴 11年たたき上げ
- 全 8 店舗現場を統括
- 育てる仲間と技術
背中で教えて、言葉で渡す。
こんにちは、専務の富村レオです(^^)
改造図鑑6回目。ついに来ました、ニンテンドーDSです。
この機種、正直めちゃくちゃ変なゲーム機だったんですよ。今でこそ当たり前の顔をしてますけど、出た当時は「え、なにこれ」でした。

2004年、画面が2つになった

発売は2004年12月2日。価格は15,000円。
僕の誕生日が12月5日なので、発売の3日後に7歳になったことになります。小学1年生。ドンピシャ世代ですね(笑)
で、当時のことなんですけど。子どもながらに意味が分からなかったのを覚えてます。
画面が、2つある。しかも下の画面は棒で直接さわる。おまけにマイクに向かって声を出すゲームまである。
それまでのゲーム機って、ボタンで操作するものだったじゃないですか。それが急に、指で押して、息を吹きかけて、しゃべりかけるものになった。
大人になってから知ったんですが、当時は社内でもかなり冒険だったらしいです。任天堂が掲げていたのが「ゲーム人口の拡大」。ゲームをやらない人にも遊んでもらう、というやつです。
で、これが本当に当たりました。

この時代、何を遊んでいたか
脳を鍛える大人のDSトレーニング
2005年。これ、社会現象と言っていいレベルでした。
内容はというと、簡単な計算や音読を毎日やって「脳年齢」を測るだけ。ゲームらしいゲームじゃないんですよ。
でもこれが、おじいちゃんおばあちゃんまで買った。うちの家族もそうでした。
今考えると、あれはすごい発明だったと思います。「ゲーム機を買う理由」を、ゲーム以外に作ったんですから。
手書きで答えを書くのも良かった。タッチペンがあるから、キーボードもボタンも要らない。機械が苦手な人でも、紙に書く感覚で遊べたんです。
これ、今スマホ教室をやっていて、すごく分かるんですよ。操作を覚えなくていい入り口って、めちゃくちゃ大事なんです。
おいでよ どうぶつの森
2005年。村に住んで、釣りをして、借金を返す(笑)
クリアという概念がないゲームでした。ただ毎日ちょっとずつ村に顔を出す。それだけ。
ゲームの中で季節が変わって、イベントがあって。現実の時間と一緒に進むという意味では、あのポケモン金銀の時計の発想が、ここまで来たとも言えますね。
Newスーパーマリオブラザーズ
2006年。横スクロールのマリオが久しぶりに帰ってきた作品。
これは友達と対戦した記憶しかないです。学校で「持ってきた?」って毎日聞き合ってました。
ニンテンドッグス
犬を飼うゲーム。マイクに向かって名前を呼ぶと、犬が反応する。
あの体験、当時は本当に新しかった。画面の向こうに何かがいる、という感じがしたんですよね。
開けてみると:2画面をつなぐ、細い橋

ここから本業の話です。
DSを分解して最初に思うのは、「よくこの中に2画面ぶん詰めたな」ということ。
上画面と下画面、それぞれに液晶があります。そして本体は折りたためる。ということは、上下をつなぐ配線がヒンジを通っているわけです。
ここが構造上の弱点になります。
使われているのはフレキシブルケーブル。薄いフィルムに配線をプリントした、ペラペラのやつです。
これが、本体を開け閉めするたびに曲がります。何千回、何万回と。
金属の線は、繰り返し曲げると折れますよね。針金を何度も曲げると切れるのと同じ理屈です。折りたたみの機械は、必ずここが泣きどころになります。
だからDSで「上の画面だけ映らない」「開く角度で画面が消える」という症状が出たら、僕らはまずこのケーブルを疑います。
そしてこれ、今の折りたたみスマホでもまったく同じ議論がされているんですよ。2004年から本質は変わってません。
本題:タッチが効かない、ズレる
DSでいちばん多い故障が、これです。
ペンで押しても反応しない。押した場所と違うところが反応する。画面の端だけ効かない。
原因を説明するために、まずDSのタッチとスマホのタッチは、まったく別物という話をさせてください。

DSは「押して」反応する
DSが使っているのは抵抗膜方式。
透明な膜が2枚、わずかな隙間を空けて重なっています。ペンで押すと、その部分だけ膜どうしがくっつく。くっついた場所を、電気の流れ方から計算するという仕組みです。
だから、押せば何でも反応します。ペンでも、爪でも、手袋でも。
スマホは「電気」で反応する
今のスマホは静電容量方式。画面の表面に電気をまとわせておいて、指が近づくと電気の分布が変わる。その変化を読んでいます。
押す必要はありません。触れるだけでいい。そのかわり、電気を通さないものには反応しません。だから普通の手袋だとダメなんです。
で、DSのタッチが壊れる理由
抵抗膜方式は「物理的に押してくっつける」仕組みなので、膜が消耗します。
- 同じ場所ばかり押していると、そこの膜がへたってくる
- ペン先が削れて硬くなり、膜に傷が付く
- 隙間にホコリや砂が入り込む
- 汗や飲み物が入って、内部が汚れる
沖縄でとくに厳しいのが、砂と湿気です。海に持って行った機械って、想像以上に細かい砂が入ってるんですよ。
タッチパネルは交換部品として手に入るので、直せます。液晶とは別部品なので、タッチだけ替えることもできる。
ちなみに、まず試してほしいのが本体設定のタッチ位置の調整。ズレているだけなら、これで直ることがあります。分解する前に、まずここを見てください。
これ、うちの本業そのものです

タッチパネル交換って書きましたけど、これスマホの画面修理と完全に同じ作業なんですよ。
うちで毎日やっている画面割れ修理も、やっていることは、
- 本体を慎重に開ける
- 細いフレキケーブルを傷つけずに外す
- 新しいパネルに交換する
- ケーブルを挟まないように組み直す
この繰り返しです。相手がDSかiPhoneかの違いだけ。
とくにフレキケーブルを挟まないというのが本当に大事で、ここを雑にやると、組み上げた瞬間に画面が映らなくなります。慣れないうちは、これで泣きます。
「スマホ修理屋がゲーム機の話ばっかりしてる」と思われてるかもしれませんが(笑)、僕としては全部つながってるんですよね。
改造メモ:DSは整備が中心
DSは改造というより、整備して現役に戻すのが中心になります。
- タッチパネル交換 — 反応が悪いなら、まずこれ。効果が一番わかりやすい
- バッテリー交換 — 前回書いたとおり、20年もののリチウムイオン電池は膨らみます。DSはネジを外せば電池にアクセスできる作りなので、比較的やさしいほう
- ヒンジまわりのケーブル交換 — 画面が映らない系の原因。細くて繊細なので、難易度は上がります
- 殻の交換 — 傷だらけの本体が、新品みたいになります
初代DSは本体が大きめで中に余裕があるので、分解の練習台としてはかなり優秀です。中古も安く手に入りますし、最初の1台にはいいと思います(^^)
変な形が、いちばん遠くまで行った
最後に、ひとつだけ。
DSって、出たときは「変な形」だったんですよ。2画面って何?タッチペンって何?って。
でも結果的に、それまでゲームをやらなかった人たちまで巻き込んで、とんでもない台数が売れました。
僕が面白いなと思うのは、ボタンを減らして、直接さわらせたことなんです。
操作を覚えなくていい。画面に見えているものを、そのまま押せばいい。これって、その後スマホがやったことと、まったく同じ発想ですよね。
うちでやっているワンコインスマホ教室でも、いちばん喜ばれるのは難しい機能の説明じゃないんです。「ここを押せばいいんですよ」と、実際に指で触ってもらう時間なんですよ。
2004年に2画面のゲーム機がやったことを、僕らは今も店でやっている。そう考えると、けっこう感慨深いです(^^)
次回はいよいよ第1弾のラスト。ニンテンドーDS Lite、僕の子ども時代のど真ん中です。そして「ヒンジが割れる」という、あの有名な持病の話をします。
スマホ119は沖縄県内に8店舗を構えるスマホ・iPhone修理店です。スマホだけでなく、ゲーム機(Switch・PS・3DS・PSP等)の修理・買取も承っています。
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