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沖縄のスマホ修理のお医者さん

スマホ119 専務の現場ノート

専務ブログ現場から、次の119へ。

壊れたiPhoneを自分で直したあの日から、修理ひと筋で11年。いまは専務として全店舗の現場を回り、仲間の技術と心に火をつけるのが仕事です。スマホ119を責任持って引っ張っていく覚悟と、現場で起きているリアルを、そのまま書いていきます。

専務スマホ119 専務 富村 レオ
  • 修理歴 11たたき上げ
  • 8 店舗現場を統括
  • 育てる仲間と技術
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専務の富村レオが店舗の作業台でスタッフ2人に修理技術を指導しているイラスト 背中で教えて、言葉で渡す。
ディスクシステムのゴムベルトは、飴になります|専務の据置図鑑②
2026.09.02 0

こんにちは、専務の富村レオです(^^)

据置図鑑の第2回。昨日のファミコンの上に、ドッキングして乗っかっていた機械です。

ファミリーコンピュータ ディスクシステム。型番はHVC-022。

修理の世界では、ちょっと名の知れた機種でして。理由はひとつです。100%、同じところが壊れるから(笑)

ディスクが回らない原因が溶けたゴムベルトだと分かる4コマ漫画

①あの頃 — 1986年、15,000円。書き換えは1枚500円

発売は1986年2月21日、定価15,000円。ここもまだ消費税の前なので、税込も税別もありません。

で、僕がいちばん面白いと思うのがディスクカードの書き換えという仕組み。お店に置かれた専用の機械で、手持ちのディスクの中身を別のゲームに書き換えてもらえたんです。料金は1枚500円。

ソフトを「買う」んじゃなくて、中身を「入れ替える」。今でいうダウンロード販売みたいなことを、1986年に店頭でやっていたわけです。しかも500円という、子どものおこづかいで届く絶妙なライン。よく考えられてるなあ、と思います。

ちなみに僕が生まれる11年前。またしても、影も形もありません(笑)

②遊んでた — ディスクだから、できたこと

  • ゼルダの伝説(1986・本体と同時発売)— 広い地図を自由に歩いて謎を解くゲーム。そしてパスワード無しでセーブできた。これが革命でした
  • メトロイド(1986)— 探索して能力を増やし、行けなかった場所へ戻る。今でいうメトロイドヴァニアの、語源そのものです
  • リンクの冒険(1987)— ゼルダの続編なのに、横視点のアクションRPGへ大転換した一本

セーブの話、ちょっと補足させてください。当時のカセットは、電池でセーブを保持するか、長いパスワードをノートに書き写すかの二択でした。ディスクなら磁気でそのまま書き込める。ここが決定的に違ったんですよね。

スマホで言えば、撮った写真が当たり前に本体へ残るようになった瞬間。それくらいの変化だと思っています。

1986年発売・15000円とディスク書き換え1枚500円の時代背景を示す図
二段重ね構造とRAMアダプタに追加音源が入っていることを示す分解図

③開けてみる — ほぼカセットデッキ

本体は二段重ねです。下がドライブ本体で、上に乗っているカセット型のほうが「RAMアダプタ」。

中身はクイックディスクという機構で、モーターと、ゴムのドライブベルトと、磁気ヘッド。ゲーム機というより、カセットデッキの構造なんですよ。開けたときの「あ、これオーディオ機器だ」感がすごい。

電源は単三6本、または専用のACアダプタ。そしてRAMアダプタ側には、RAMと一緒に追加の音源が入っています。ディスクシステム専用ソフトのBGMだけ音色が違って聞こえるのは、これが理由です。

④今、壊れるとこ — ゴムが飴になる

はい、本題。

ゴムのドライブベルトが溶けます。黒くてベタベタの、飴みたいな状態になって切れる。開けた瞬間に糸を引く個体も、普通にあります。

これ「そういう個体もある」じゃなくて、40年経ったら全部そうなる、という話です。ゴムは必ず劣化するので、避けようがない。

症状はシンプルで、ディスクが回らない。エラーコードが出て止まる。有名なのは「ERR.02」ですね。

で、ベルトを直しても、まだ関門があります。

  • 磁気ヘッドの位置ずれ — 高さとアジマス(角度)が狂うと、回るのに読めない
  • 電池ボックスの液漏れ — 端子が緑青まみれ。単三6本ぶんですからね
  • ディスクカード自体の劣化 — 磁性体の寿命とカビ。本体を直しても、ソフトが読めないことがある

最後のやつが、この機種のいちばん切ないところ。機械は治ったのに、中身が消えている。

ゴムベルトが溶けて切れるまでの経過と、ヘッドずれ・電池液漏れ・カード劣化の関門を示す図

⑤改造メモ

  • ベルト交換とヘッド調整。大事なのは純正と同じ平ベルトを使うこと。丸ベルトは走行中に溝から外れます。安いからと丸を入れて、結局また開けるはめになる。あるあるです
  • 電池ボックスの腐食除去。軽ければサンドペーパーと接点復活剤、ひどければ端子ごと交換
  • 電解コンデンサの交換
  • ドライブエミュレータへの載せ替え。ベルトという弱点そのものを無くしてしまう手ですね

ディスクカードについては「読めるうちに、自分の手元のソフトを保全しておく」という考え方があります。ただ、その具体的な手段はここには書きません。自分で買ったソフトでも、データを吸い出したり配ったりする行為は法律に触れる可能性があるからです。この連載は技術と文化の話であって、やり方の紹介ではないので。

それとレトロブライトでの黄ばみ抜きは、うちでは非推奨のままです。樹脂が脆くなりますから。気になる個体は持って来てください。一緒に考えます。

平ベルトと丸ベルトの違いを示した改造メモの図

結局ぜんぶ「ゴムは劣化する」の話

今日の内容、全部そこに集約されます。そしてこれ、レトロゲームだけの問題じゃないんですよ。

スマホの中にも、ゴムと粘着はたくさん入っています。防水のパッキン、ボタンの裏側、そしてバッテリーを本体に固定している粘着テープ。どれも年数で硬くなったり、逆にベタついたり。うちでバッテリー交換をするとき、いちばん気を使うのが実はこの粘着だったりします。

1986年のドライブベルトと、2026年のスマホの粘着テープ。やっていることは同じです。劣化したゴムをはがして、新しいものに置き換える。それだけ。

押し入れの二段重ね、動かなくても捨てないでくださいね。ベルトはまだ手に入ります。県内8店舗、お近くの店舗へどうぞ。目安は修理料金表に載せてあります。もう遊ばないと決めたなら買取も。

明日は、ファミコンと同じ時代に真正面からぶつかっていった機械。セガ・マークIIIです(^^)

黄色いディスクカードと生成り色の本体が作業台に並んだ情景イラスト

スマホ119は沖縄県内に8店舗を構えるスマホ・iPhone修理店です。スマホだけでなく、ゲーム機(Switch・PS・3DS・PSP等)の修理・買取も承っています。
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