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沖縄のスマホ修理のお医者さん

スマホ119 専務の現場ノート

専務ブログ現場から、次の119へ。

壊れたiPhoneを自分で直したあの日から、修理ひと筋で11年。いまは専務として全店舗の現場を回り、仲間の技術と心に火をつけるのが仕事です。スマホ119を責任持って引っ張っていく覚悟と、現場で起きているリアルを、そのまま書いていきます。

専務スマホ119 専務 富村 レオ
  • 修理歴 11たたき上げ
  • 8 店舗現場を統括
  • 育てる仲間と技術
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専務の富村レオが店舗の作業台でスタッフ2人に修理技術を指導しているイラスト 背中で教えて、言葉で渡す。
セガ・マークIIIは、性能で勝ってソフトで負けた|専務の据置図鑑③
2026.09.03 0

こんにちは、専務の富村レオです(^^)

据置図鑑の第3回。今日は、この連載でいちばん書きたかった機械のひとつです。

セガ・マークIII。そして、その完成形にあたるマスターシステム

先に結論を書いておきますね。この機械、性能では勝っていたのに、日本では最後まで「ファミコンじゃない方」でした。

日本では少数派だった白と赤ラインの本体が世界では大人気だったと知る4コマ漫画

①あの頃 — 1985年と1987年

マークIIIの発売が1985年10月20日、定価15,000円。その2年後、1987年10月18日に出たのがマスターシステムで、こちらは16,800円と伝わっています。どちらも消費税の前なので、税込・税別の別はありません。

僕はというと、マークIIIのときで生まれる12年前。マスターシステムでも10年前です。今回もリアルタイムには一ミリも関わっていません(笑)

②遊んでた — セガはアーケードの会社だった

ラインナップを並べるだけで、この機械の性格がはっきり出ます。

  • スペースハリアー、アウトラン、アフターバーナー — アーケードからの移植組
  • ファンタジーゾーン、忍 -SHINOBI-、北斗の拳
  • アレックスキッドのミラクルワールド、ファンタシースター

で、僕が「うまいなあ」と思うのがマスターシステムの起動デモなんです。ソフトを挿さずに電源を入れると、スペースハリアーのデモがFM音源の音で勝手に流れ出す。

本体が、自分の音自慢をしてくるんですよ。店頭でこれを見せられたら、そりゃ足は止まりますよね。

1985年15000円と1987年16800円という2機種の発売時期と価格を並べた年表の図

③開けてみる — 「全部入り」までの2年

CPUはNEC uPD780C-1、いわゆるZ80A相当で、動作クロックは3.579545MHz。ソフトはロムカセットと、薄いカード状の「マイカード」の両対応。さらに拡張端子まで付いています。当時としてはかなり欲張りな構成です。

ただし、マークIIIの音源はPSGだけ。FM音源は別売の「FMサウンドユニット」で、連射機能も別売のラピッドファイア。つまり全部入りを削って、安く出したわけですね。

そして2年後のマスターシステムで、そのFM音源も連射も、立体視用のグラス端子まで本体に内蔵してきた。同じ会社が、同じ機械を「全部入り」で出し直した。この流れ、けっこう好きなんです。

基板を開けると、これがまた気持ちいい。スルーホール主体で部品点数も少なくて、今の目で見ると驚くほど作業しやすい。ちなみにSG-1000やSC-3000のソフトも動く後方互換つきです。

本体の中身とオプション別売から全部入りへの構成変化を示す図

④今、壊れるとこ

  • 電解コンデンサの容量抜け・液漏れ — 映らない、音が出ない、映像が波打つ。この世代の第一容疑者
  • スロットと拡張端子の接点酸化 — 「差し直すと映る」は、ほぼこれ
  • RFモジュレータ周りのはんだクラック
  • 純正ACアダプタの内部劣化 — これが厄介で、基板を疑って延々と空振りするパターンが多い
  • 筐体プラの日焼け黄変、シールの反り

4番目、笑い話じゃないんですよ。バラして、コンデンサを測って、はんだを流し直して、それでも直らない。最後にアダプタを替えたら一発、と(笑)

だから電源から疑う。これ、スマホの「充電できない」でもまったく同じ順番です。ケーブルとアダプタが犯人だったケース、めちゃくちゃ多いですから。

映らない音が出ないの原因5つと、電源から疑うという修理の順番を示す図

⑤改造メモ

  • AV出力化。RF専用の機械にコンポジットやS端子を増設して、今のテレビへつなぐ
  • 電解コンデンサの一括交換
  • スロット接点の清掃。無水エタノールで。接点復活剤を吹きっぱなしにすると、あとで樹脂を傷めるので使いません
  • ACアダプタを現行のスイッチング電源に置換。ただし極性とセンター極は必ず確認を。ここを間違えると一撃で終わります

音の話をするなら、マークIIIはFMサウンドユニットの有無で同じソフトのBGMが別物になります。「この曲、こんなだったっけ?」は、記憶違いじゃないかもしれない(笑)

黄ばみ抜きのレトロブライトは、毎回書いているとおり店では非推奨です。樹脂が脆くなって、数年でまた黄ばみますから。

日本150万台と世界1900万台という販売台数の差を示した棒グラフの図

負けた土俵と、勝った土俵

数字を出しますね。日本での販売はSG-1000系を含めても、1991年3月末の時点で150万台ほど。ファミコンの隣に置かれた時点で、勝負はついていました。

ところが同じ機械が、欧州とブラジルでは化けるんです。マスターシステムはマークIII込みで、世界では1,900万台。ブラジルにいたっては、2020年代まで現地のメーカーが作り続けていました。

同じ性能、同じ設計。置かれた土俵が違っただけで、こうも結果が変わる。

沖縄で修理屋をやっている身としては、他人事に思えない話なんですよね。うちだって小さな会社です。それでもこの島でなら、勝てる戦い方がある。そう思ってやっています。

それに修理屋の目線で言うと、負けた機械ほど中身が面白い。部品が少なくて、素直で、開ければ設計した人の意図が読める。そういう機械で手を鍛えさせてもらったから、今のぎっしり詰まったスマホの基板も怖くないんです。

押し入れに眠っていませんか。映らない・音が出ないなら、まだ望みは十分あります。県内8店舗、お近くの店舗へどうぞ。修理の目安は修理料金表に、手放すと決めたなら買取もやっています。

明日は、手のひらに乗ってしまう据置機。PCエンジンです。液漏れとの時間勝負の話をします(^^)

白と赤ラインの据置ゲーム機が修理の作業台に置かれた情景イラスト

スマホ119は沖縄県内に8店舗を構えるスマホ・iPhone修理店です。スマホだけでなく、ゲーム機(Switch・PS・3DS・PSP等)の修理・買取も承っています。
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