スマホ119 専務の現場ノート
専務ブログ現場から、次の119へ。
壊れたiPhoneを自分で直したあの日から、修理ひと筋で11年。いまは専務として全店舗の現場を回り、仲間の技術と心に火をつけるのが仕事です。スマホ119を責任持って引っ張っていく覚悟と、現場で起きているリアルを、そのまま書いていきます。
- 修理歴 11年たたき上げ
- 全 8 店舗現場を統括
- 育てる仲間と技術
背中で教えて、言葉で渡す。
こんにちは、専務の富村レオです(^^)
据置図鑑の第3回。今日は、この連載でいちばん書きたかった機械のひとつです。
セガ・マークIII。そして、その完成形にあたるマスターシステム。
先に結論を書いておきますね。この機械、性能では勝っていたのに、日本では最後まで「ファミコンじゃない方」でした。

①あの頃 — 1985年と1987年
マークIIIの発売が1985年10月20日、定価15,000円。その2年後、1987年10月18日に出たのがマスターシステムで、こちらは16,800円と伝わっています。どちらも消費税の前なので、税込・税別の別はありません。
僕はというと、マークIIIのときで生まれる12年前。マスターシステムでも10年前です。今回もリアルタイムには一ミリも関わっていません(笑)
②遊んでた — セガはアーケードの会社だった
ラインナップを並べるだけで、この機械の性格がはっきり出ます。
- スペースハリアー、アウトラン、アフターバーナー — アーケードからの移植組
- ファンタジーゾーン、忍 -SHINOBI-、北斗の拳
- アレックスキッドのミラクルワールド、ファンタシースター
で、僕が「うまいなあ」と思うのがマスターシステムの起動デモなんです。ソフトを挿さずに電源を入れると、スペースハリアーのデモがFM音源の音で勝手に流れ出す。
本体が、自分の音自慢をしてくるんですよ。店頭でこれを見せられたら、そりゃ足は止まりますよね。

③開けてみる — 「全部入り」までの2年
CPUはNEC uPD780C-1、いわゆるZ80A相当で、動作クロックは3.579545MHz。ソフトはロムカセットと、薄いカード状の「マイカード」の両対応。さらに拡張端子まで付いています。当時としてはかなり欲張りな構成です。
ただし、マークIIIの音源はPSGだけ。FM音源は別売の「FMサウンドユニット」で、連射機能も別売のラピッドファイア。つまり全部入りを削って、安く出したわけですね。
そして2年後のマスターシステムで、そのFM音源も連射も、立体視用のグラス端子まで本体に内蔵してきた。同じ会社が、同じ機械を「全部入り」で出し直した。この流れ、けっこう好きなんです。
基板を開けると、これがまた気持ちいい。スルーホール主体で部品点数も少なくて、今の目で見ると驚くほど作業しやすい。ちなみにSG-1000やSC-3000のソフトも動く後方互換つきです。

④今、壊れるとこ
- 電解コンデンサの容量抜け・液漏れ — 映らない、音が出ない、映像が波打つ。この世代の第一容疑者
- スロットと拡張端子の接点酸化 — 「差し直すと映る」は、ほぼこれ
- RFモジュレータ周りのはんだクラック
- 純正ACアダプタの内部劣化 — これが厄介で、基板を疑って延々と空振りするパターンが多い
- 筐体プラの日焼け黄変、シールの反り
4番目、笑い話じゃないんですよ。バラして、コンデンサを測って、はんだを流し直して、それでも直らない。最後にアダプタを替えたら一発、と(笑)
だから電源から疑う。これ、スマホの「充電できない」でもまったく同じ順番です。ケーブルとアダプタが犯人だったケース、めちゃくちゃ多いですから。

⑤改造メモ
- AV出力化。RF専用の機械にコンポジットやS端子を増設して、今のテレビへつなぐ
- 電解コンデンサの一括交換
- スロット接点の清掃。無水エタノールで。接点復活剤を吹きっぱなしにすると、あとで樹脂を傷めるので使いません
- ACアダプタを現行のスイッチング電源に置換。ただし極性とセンター極は必ず確認を。ここを間違えると一撃で終わります
音の話をするなら、マークIIIはFMサウンドユニットの有無で同じソフトのBGMが別物になります。「この曲、こんなだったっけ?」は、記憶違いじゃないかもしれない(笑)
黄ばみ抜きのレトロブライトは、毎回書いているとおり店では非推奨です。樹脂が脆くなって、数年でまた黄ばみますから。

負けた土俵と、勝った土俵
数字を出しますね。日本での販売はSG-1000系を含めても、1991年3月末の時点で150万台ほど。ファミコンの隣に置かれた時点で、勝負はついていました。
ところが同じ機械が、欧州とブラジルでは化けるんです。マスターシステムはマークIII込みで、世界では1,900万台。ブラジルにいたっては、2020年代まで現地のメーカーが作り続けていました。
同じ性能、同じ設計。置かれた土俵が違っただけで、こうも結果が変わる。
沖縄で修理屋をやっている身としては、他人事に思えない話なんですよね。うちだって小さな会社です。それでもこの島でなら、勝てる戦い方がある。そう思ってやっています。
それに修理屋の目線で言うと、負けた機械ほど中身が面白い。部品が少なくて、素直で、開ければ設計した人の意図が読める。そういう機械で手を鍛えさせてもらったから、今のぎっしり詰まったスマホの基板も怖くないんです。
押し入れに眠っていませんか。映らない・音が出ないなら、まだ望みは十分あります。県内8店舗、お近くの店舗へどうぞ。修理の目安は修理料金表に、手放すと決めたなら買取もやっています。
明日は、手のひらに乗ってしまう据置機。PCエンジンです。液漏れとの時間勝負の話をします(^^)

スマホ119は沖縄県内に8店舗を構えるスマホ・iPhone修理店です。スマホだけでなく、ゲーム機(Switch・PS・3DS・PSP等)の修理・買取も承っています。
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