スマホ119 社長の手記
社長ブログ視点と、本音と、物語。
修理の話より、その奥の話を。息子の割れたiPhoneを自分で直した日から、沖縄で店を続けてきた僕が、現場で考えたこと・好きなモノづくりのこと・うまくいかなかった日のことまで、飾らずに書き残していきます。
手を動かした分だけ、書ける。
▼ この記事を、ショート漫画にしました(タップで再生・音が出ます)
皆さまこんにちは!スマホ119の富村です^^)
今月はずっと、自分で書いた本の第Ⅰ部を1章ずつ開いてきました。第1章から第10章まで、10本。長いおつきあいをありがとうございます。
今日はその総まとめ。
本のタイトルは『仕組みは、人を信じるために作る』。全部で100章、427ページある分厚いやつです(笑

借金だと気づくまでに、ずいぶんかかった
第Ⅰ部のタイトルは「現場の問題に気づく」。ここに10章も割いたのは、僕がそれだけ長く気づけなかったからです。
第1章「すべては現場から始まった」は、息子のレオがiPhoneを割ったところから始まります。工具を出して自分で直したら、あいつが笑った。その話をブログに書いたら、自宅の玄関が救急病院みたいになった。……ここまでは、ただの美談。
問題はその先でした。
第2章「「できる人」に頼るのをやめた日」。エースだったタカシ(仮名)がインフルエンザで1日休んだだけで受付が詰まり、午前中に3人のお客さまが「もういいです」と帰られた。その夜、彼の判断を全部ノートに書き出したらA4で8ページ。8ページ分の判断を、僕は一人の頭に預けっぱなしにしていたわけです。
それで第3章のタイトルが「属人化は、借金」になりました。
強い人がいる現場は、たしかに強い。でもそれは、その人が抜けた瞬間に一括返済を迫られる借金でもある。しかも利息を払っているのは本人で、本人がいちばん気づかない。厄介なのはそこ。

返し方には、順番があった
10章をまとめて読み返して、いちばんはっきりしたのがこれです。返済には順番がある。
最初にやるのは、立派なマニュアルづくりじゃありません。第4章「仕組みの第一歩は「迷い」を減らすこと」に書いたとおり、僕がやったのはカウンターの横に黙って立って、スタッフの横顔を見ることでした。どこで手が止まるか。どこで目が泳ぐか。迷う場所は、見ていれば分かる。
次が第5章「説明は「設計」できる」です。同じことを聞かれているのに、答え方が全員バラバラだった。センスの問題にしてしまうと誰にも直せませんが、順番と言い回しの問題にすれば直せます。
第6章「仕組みは、人間味を増やす」で書いたのは、その先です。「マニュアルを作ったら、ロボットみたいになりませんか」。昔はよくそう聞かれました。今は同じ顔で「AIを入れたら冷たくなりませんか」と聞かれます(笑 冷たくなるのは道具のせいじゃありません。誰かが一人で抱えないようにと思って作ったものは、不思議と温かくなる。
そして第7章「「戻れる」仕組みが、現場を育てる」。入って2週間のユウキ(仮名)が、声を震わせて「やらかしました」と言いに来た日の章です。詰めたところで部品は元に戻りません。だったら最初から、転んでも戻れるように作っておく。
迷いを消す。説明を設計する。戻れるようにする。この3つが、僕にとっての返済計画でした。

完璧を待っていたら、一円も返せない
第8章「正解は、最初から分からなくていい」と第9章「完璧を待つと、何も始まらない」は、ほとんど双子の章です。
沖縄にスマホ修理店がほとんど無かったころ、僕は修理の経験ゼロで店を開けました。無謀? そのとおりです(笑
ただ、出してみると答えが返ってくるんですよね。「高い」「分かりにくい」「聞きたいのはそこじゃない」。全部ありがたい返事でした。机の上で半年考えても、この声は一行も手に入りません。
「もう少し整ってから」という日は、今日まで一度も来ていない。

いちばん残っている借金は、たぶん僕です
ここからは、ちょっと格好のつかない話を。
受付の流れ、料金の伝え方、データ確認の順番。このあたりはだいぶ返しました。現在(2026年時点)沖縄で8店舗ありますが、どの店に入っても同じ順番でお客さまをお迎えできます。
返せていないのは、僕の頭の中です。
出店するかどうか、値づけをどうするか、新しい事業に手を出すか出さないか。この判断はまだ僕にしか残高がない。第3章を自分で書いておきながら、社長業こそ最後の属人化だなあと、書いた本人が唸っております汗

来月からは第Ⅱ部です
第10章のタイトルは「失敗は、才能がない証拠じゃない」。中学生の僕が音楽を諦めた話でした。あのとき足りなかったのは才能ではなく、手順と道具だった。40年越しで気づく人間がここにいるので、若い人は安心してください^^)
第Ⅱ部のタイトルは「人を責めない現場をつくる」。怒らなくていい現場は、設計できる——そういう部です。来月からまた、1章ずつ開いていきます。

本そのものが気になった方はBOOKのページにまとめてあります。もちろん本業も元気にやっています^^)画面もバッテリーも、まずは修理料金表をのぞいてみてください。修理に出す前の不安はよくある質問にひととおり書いてあります。
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