スマホ119 社長の手記
社長ブログ視点と、本音と、物語。
修理の話より、その奥の話を。息子の割れたiPhoneを自分で直した日から、沖縄で店を続けてきた僕が、現場で考えたこと・好きなモノづくりのこと・うまくいかなかった日のことまで、飾らずに書き残していきます。
手を動かした分だけ、書ける。
▼ この記事を、ショート漫画にしました(タップで再生・音が出ます)
皆さまこんにちは!スマホ119の富村です^^)
日曜日は、写真の趣味回の二日目。昨日は7年前の海でしたが、今日は少し新しい、6年前の8月です。
真っ青な写真が、何枚も続けて残っていました。撮影日は2020年8月7日。フェリーで島へ渡った日の写真です。

一枚目。青い海の向こうに、横に長く島が見えています。島の手前には街並みらしい細い帯、その上に、ひとつだけ尖った山。横に長い島の中で、その山だけが目印のように飛び出しています。空には雲がぽつんと一つだけ。
シンプルです。色が三つしか無い。
この尖った山が目印の島に、この日はフェリーで渡っています。伊江島です。
甲板から撮った、島と橋
写真は甲板の手すり越しに撮られているものが多くて、この回の写真も、最後の一枚以外は海の上からです。
二枚目は、船の後ろ側を撮った一枚です。

画面の下半分は、白く泡立つ航跡。船が通ったあとの水が、青い海に白い筋を引いています。泡は船から離れるほど細くなって、やがて青に溶けていく。その向こうには、緑の陸地と、弧を描いた長い橋。空には、積み上がった白い雲が三つ並んでいます。左の端には船の壁と手すりが少し写り込んでいて、これが「船の上で撮った」という証拠です。
航跡って、写真に撮ると妙に落ち着くんですよね。通ってきた道が、そのまま見えるから。
次の一枚は、緑の島に近づいていくところ。

海は、波がたてた細かな筋がゆるやかに続くだけで、とても穏やか。緑の丘の上に建物がぽつぽつ並んでいて、丘の右の端には白い建物がいくつか固まっています。画面の右の端に、さっきと同じような橋の端っこが入っています。
同じ橋が、二枚の写真でまったく違う顔をしています。後ろに流れていく橋と、これから近づく橋。向きが違うだけで、別の物のように見えるのが面白いです。
6年前の写真なのに、海の青だけは今日撮ったみたいに鮮やかです。海の青も、一枚ごとに違います。一枚目の下の方は深い紺色で、三枚目は少し明るい青。同じ日、同じ海なのに、光の角度で、これだけ表情が変わる。スマホの小さな画面に、よくこれだけ入ったなと思います♪
海に浮かぶ、平たい島
四枚目は、手すりの向こうに小さな島。

さっきの尖った山の島とは違って、こちらはとても平たい島です。水平線の上に、細長く、木々の緑が一列に載っているだけ。手前には白い船の手すりと、右側に斜めに張られた太いロープ。島の上の空には、小さな白い雲がいくつか浮かんでいます。甲板の四枚は、どれも午前11時台の、10分ほどのあいだに撮られています。
青い海に、青い空。その間に、ほんの少しだけ緑と白が挟まっている。それだけの絵なのに、見飽きません。たぶん、何も起こらないからです。
何も起こらない景色って、実は貴重ですよね。毎日、通知やら着信やらに追われている身には、なおさら。2020年は、世の中が慌ただしかった年でもありました。そんな年の夏に、こういう「何も起こらない青」を残していたことに、今さらながら、ほっとします。
犬の横顔
最後の一枚は、ここまでの青から急に変わります。

薄暗い場所で撮られた、茶色いトイプードルの横顔。くるくるの巻き毛の中に黒い目と鼻がのぞいて、耳は顔の横に長く垂れています。顔を縁のようなところに預けて、じっと何かの方向を見ている。右には、柄のある布が少し見えています。
毛の色は、オレンジに近い茶色。暗い背景の中で、そこだけ温度が高いみたいに見えます。青い写真が四枚続いたあとに、いきなりあたたかい色が現れて、画面の温度がふっと変わる。写真を並べる順番って、大事ですね。
この一枚だけは、夜の9時過ぎの写真です。甲板の写真から、ちょうど10時間ほどあとの一枚です。
この茶色いトイプードルは、モカです。
この日は、朝、車に犬を二匹乗せて出発している、という記録が写真の並びに残っています。二匹のうちもう一匹は、この写真には写っていません。二匹連れて、島へ。
この年の6月には、安波海岸の記事で、やんばるへ犬を連れて釣りに出かけた話も書いていました。
撮り方の癖
海の四枚を並べて、もうひとつ気づきました。
どの写真も、水平線がほぼまっすぐなんです。船は揺れているはずなのに、画面の中の海は、定規で引いたように横一線。島は画面のどこかに必ず置かれていて、手前に手すりや航跡が入る。無意識に、同じ構図で撮っているんですね。
自分の癖って、本人はなかなか気づけません。こうして並べて初めて、ああ、僕はこう撮る人なんだな、と分かります。写真を見返すのは、昔を懐かしむだけじゃなくて、自分の見方を知る作業でもあるようです。
島の形は、尖った山、緑の丘、平たい小さな島と、一枚ごとに全部違います。水平線は同じ横一線なのに、島の形が変わるだけで、見え方は毎回新しくなる。そこが、海の写真の面白いところです!
ほかの写真に残っていたこと
同じ日の写真には、岩の洞窟のある浜辺や、木陰に広げた黄色いテントも残っていました。
ちなみに、スマホで水平線を撮るときは、画面の格子線を出しておくとまっすぐ撮りやすくなります。設定の中にあるので、よかったら試してみてください。
行き先が見えている移動
フェリーの写真を並べて見ていて、気づいたことがあります。
島が少しずつ近づいてくる様子を、僕は何枚も撮っている。
遠くの尖った山、近づく緑の丘、平たい小さな島。行き先が目に見えていて、近づいていくのが分かる。それだけで、移動の時間が落ち着いたものになる。
先日書いた第15章「安心は、設計できる」の中に、「次に何が起きるか分かる状態になった時、人は安心する」という話がありました。あれを、ここで思い出しました。
甲板の上は、次に何が起きるかが、目で見て分かる場所です。島は近づいてくる。橋は後ろへ流れていく。分からないことが、ほぼ無い。
今の僕の仕事場でも、できるだけこういう景色を作りたい、と思います。お客様にも、スタッフにも、「今、どのあたりか」が見える状態。島の見えない船旅は、誰でも落ち着きませんから!
青い写真を見返す日曜日
今日は、6年前の夏の青を、スマホの画面いっぱいに広げて見ていました。
休みの日に、何も予定を入れず、ただ画面の青を眺める。それだけで、一週間の頭の中が、少し整理される気がします。本の話は明日からまた続きますが、こういう趣味の回が、僕にとっては息継ぎの時間です。
写真の撮影日がきちんと残っているので、「2020年8月7日」と分かる。当たり前のようで、本当にありがたい機能です。
スマホの中の写真が気になる方は、お近くの店舗へお気軽にどうぞ。
次回は、第18章「若い人は、サボっているわけじゃない」です。明日は本の続きに戻ります。
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