スマホ119 専務の現場ノート
専務ブログ現場から、次の119へ。
壊れたiPhoneを自分で直したあの日から、修理ひと筋で11年。いまは専務として全店舗の現場を回り、仲間の技術と心に火をつけるのが仕事です。スマホ119を責任持って引っ張っていく覚悟と、現場で起きているリアルを、そのまま書いていきます。
- 修理歴 11年たたき上げ
- 全 8 店舗現場を統括
- 育てる仲間と技術
背中で教えて、言葉で渡す。
こんにちは、専務の富村レオです(^^)
レトロゲーム改造図鑑、3回目。今日はゲームボーイカラーです。
そして今回は、レトロゲームでいちばん悲しい話をします。「セーブデータが、ある日突然消える」やつです。
心当たりのある人、けっこういるんじゃないでしょうか。

1998年、ついに色がついた
発売は1998年10月21日。価格は8,900円。
この年、僕は0歳です(笑) なので当然、記憶はありません。
ただ、この機種は寿命が長かったので、物心ついたころにはまだ現役で家にありました。僕にとっては「気づいたらそこにあった機械」ですね。
で、名前のとおりカラー液晶になりました。同時に表示できるのは56色。今のスマホが1600万色以上出ることを考えると、笑ってしまうくらい少ない。
でも、それまでが白黒2階調ですからね。56色は革命です。

そしてこの時代を象徴するのが、半透明のスケルトン。
本体が透けていて、中の基板がうっすら見える。パープル、クリア、赤、黄色。あの質感、今見てもかっこいいと思うんですよ。
90年代後半って、なぜかいろんな製品がスケルトンになった時期なんです。ゲーム機も、電話も、文房具まで。
面白いのが、これ「機械の中身を見せる」ことがカッコいいとされた時代だったということ。今のスマホは真逆で、中身を一切見せない、継ぎ目すら消す方向に進んでますよね。
個人的には、中身が見えるほうが好きです。職業病かもしれません(笑)
この時代、何が遊ばれていたか
ポケットモンスター 金・銀

1999年。この連載で何度も名前が出てくることになるシリーズです。
すごかったのは、ゲームの中に時間の概念が入ったこと。
本体の中に時計が入っていて、朝・昼・夜が実際の時間で変わる。夜にしか出ないポケモンがいて、日曜日にしか会えない人がいる。
1999年ですよ。携帯ゲーム機の中で現実の時間が流れているって、当時どれだけ驚かれたか。
そして、この時計こそが後で悲劇を生むんですが…その話は後半で。
ゼルダの伝説 ふしぎの木の実
2001年。「大地の章」と「時空の章」の2本同時発売という変わった売り方でした。
片方をクリアすると合言葉が出て、もう片方に引き継げる。2本合わせて1つの物語になるんです。
今ならDLCとかオンラインで済ませるところを、合言葉のメモ書きでやっていた。アナログですけど、あの手書きのメモを友達と見せ合う感じ、嫌いじゃないです。
遊戯王 デュエルモンスターズ
カードゲームの再現もこの時代に一気に増えました。
通信ケーブルでカードを交換する。実物のカードを持っていない子でも対戦できる。紙のカードゲームをデジタルに持ってくるという発想が、この頃から本格化しています。
本題:セーブデータが消える、その正体
さて、ここからが本業の話です。
押し入れから出したポケモンをやろうとしたら、データが消えていた。あるいは「時計が狂っています」と出る。
これ、本体の故障じゃないんです。カセットの中の電池が切れています。

順を追って説明しますね。
当時のカセットは、セーブデータをSRAMという種類のメモリに保存していました。
このSRAM、速くて便利なんですが、致命的な弱点があります。
電気を流し続けないと、記憶が消える。
だから、カセットの中に小さなボタン電池を入れて、電源を切っているあいだも、ずっとちょろちょろ電気を流し続けていたんです。
つまり、あなたの冒険の記録は、20年以上ずっと電池に守られていたということ。
で、ボタン電池の寿命はだいたい10年から20年。
…もう、答えが出ましたよね。
金銀の場合、時計を動かすぶん電気を余分に使うので、他のソフトより電池の減りが早いんです。だから「金銀は特に消えやすい」と言われている。悲劇の理由は、あの画期的な時計だったわけです。
直せます。ただし、消えたあとでは戻りません

大事なのはここ。
電池を交換すれば、また保存できるようになります。自分のカセットの電池を替えるのは、なんの問題もありません。
でも、すでに消えたデータは戻ってきません。
これ、僕らがスマホで毎日言っていることと、まったく同じなんですよ。
水没したiPhoneを持ってきたお客さまに、「なんとかデータだけでも」と言われる。頑張りますし、実際かなりの確率で救い出せます。でも、完全に消えてしまったものは、どうやっても戻せない。
だから、動いているうちにバックアップを取ってください、と言い続けています。データ復元のご相談は毎日のように来ますが、いちばん多いのが「壊れてから初めてバックアップのことを考えた」というケースなんです。
20年前のカセットも、今のiPhoneも、教訓は同じ。思い出は、無事なうちに逃がしておく。
改造メモ:まずはボタン電池の交換から

レトロゲーム改造の入門として、僕が真っ先におすすめしたいのがこれです。
カセットのボタン電池交換。
理由は3つあって、
- 本体の分解より部品点数が少なく、手順が短い
- 直った瞬間が分かりやすい(またセーブできる!)
- 自分の思い出を延命する作業なので、単純にうれしい
ただし、ここも特殊ネジです。カセットのネジはさらに小さいので、細いドライバーが要ります。
注意点をひとつ。電池の交換中は、当然セーブデータが消えます。
電気が途切れるわけですからね。だから「データを残したまま電池だけ替えたい」という場合は、はんだ付けで新しい電池をつなぎながら古いのを外す、みたいな芸当が必要になります。ここは正直、けっこう難易度が高いです。
本体側の改造は、前回までと同じくIPS液晶化やシェル交換。カラーはスケルトンの種類が多いので、殻を替える楽しみがいちばんある機種かもしれません。
電池は、静かに減っていく
今日いちばん言いたかったことは、これです。
ボタン電池って、減っていることが外から一切わからないんですよ。
普通に遊べるんです。画面も出るし、音も鳴る。ただ、電源を切った瞬間に記録だけが消える。
スマホのバッテリーは膨らんだり、もちが悪くなったりして「そろそろだな」と教えてくれます。でもボタン電池は何も言わない。ある日いきなりです。
もし押し入れに、大事にしていたソフトが眠っているなら。まだ動くうちに、いちど電源を入れてみてください。
そこにデータが残っていたら、それはまだ電池が生きているということ。手を打つなら、今です。
次回は、ゲームボーイアドバンス。ついに僕自身の記憶が始まる世代です。そして「画面が暗い」という、あの伝説の弱点の話をします(笑)
スマホ119は沖縄県内に8店舗を構えるスマホ・iPhone修理店です。スマホだけでなく、ゲーム機(Switch・PS・3DS・PSP等)の修理・買取も承っています。
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