スマホ119 専務の現場ノート
専務ブログ現場から、次の119へ。
壊れたiPhoneを自分で直したあの日から、修理ひと筋で11年。いまは専務として全店舗の現場を回り、仲間の技術と心に火をつけるのが仕事です。スマホ119を責任持って引っ張っていく覚悟と、現場で起きているリアルを、そのまま書いていきます。
- 修理歴 11年たたき上げ
- 全 8 店舗現場を統括
- 育てる仲間と技術
背中で教えて、言葉で渡す。
こんにちは、専務の富村レオです(^^)
据置図鑑の第5回。今日は本体じゃありません。周辺機器です。しかも本体より、はるかに高い。
PCエンジン CD-ROM2。家庭用ゲーム機として、世界で初めてCDを読んだ機械です。

① あの頃 ― 五万七千円を、周辺機器に払わせた
発売は1988年12月4日。値段の話からいきますね。
CD-ROMドライブ本体(CDR-30)が32,800円。これだけでは動かなくて、インターフェースユニット(IFU-30)が別に27,000円。合わせて59,800円です。翌年の1989年4月以降はセット売りになって57,300円。
ここ、税の扱いが分かれる時期なんですよ。消費税が入ったのが1989年4月なので、発売時の59,800円は税という概念が無い金額。57,300円のセットは、3%が入ってからの価格です。
で、同じ時期のファミコンが14,800円。ほぼ4台分。本体じゃなくて、周辺機器に。
僕はこのとき、生まれる9年前でした(笑) 現物を触ったのは、ずっとあとです。

② 遊んでた ― というより、後から触った
ここは正直に書きます。僕はリアルタイム世代じゃないので「当時ハマった」とは書けません。後追いで手に入れて、大人になってから電源を入れた側です。
ローンチはファイティング・ストリートとNo・Ri・Ko。そのあと1989年6月に天外魔境 ZIRIA、同じ年の12月にイースI・II。
後から触ってもはっきり分かるのは、CDになって何が変わったかのほうでした。音楽がちゃんと鳴る。キャラクターがしゃべる。ゲームの容量の桁が、ひとつ跳ねている。カセットの中に詰め込むしかなかった時代から、ディスク一枚で届く時代へ切り替わった瞬間の音がします。
今のダウンロード販売も、フルボイスも、長いムービーも、出発点はここです。

③ 開けてみる ― 一九八八年の設計図
中身がおもしろい機械なんですよ。
ドライブは等倍速。転送はおよそ150KB/秒で、規格はSCSI-1。ディスクはキャディという専用ケースに入れて挿すタイプです。裸のディスクをそのまま置くのではなく、ケースごと差し込む。
インターフェースユニット側には64KBのSRAMと、ADPCM用に64KBのDRAM、それにADPCM音源。さらに2KBのバックアップSRAMが載っていて、ここをコイン形リチウム電池で保持しています。セーブの置き場所が本体側にある構造。
そして一番おもしろいのが、BIOSが差し替え式の「システムカード」で供給されていたところです。Ver2.0でCD-G再生に対応し、Ver2.1(1990年7月6日)でCDオートチェンジャー対応。1991年10月25日にはスーパーCD-ROM2へ発展しました。
カードを差し替えると機能が増える。今でいうOSのアップデートを、30年以上前にカードでやっていたわけです。
で、そのドライブのトレイとローディングを動かしているのが、小さな樹脂のギア。ここが今日の本題につながります。

④ 今、壊れるとこ ― 九割は歯車
持ち込まれる個体の症状は、だいたいこの4つに整理できます。
- 樹脂ギアの割れ。読み込み不良のおよそ九割がこれ。現存する個体は「もう全部割れている」前提で開けます。ひどいものはピンセットでつまむだけで崩れます
- ピックアップの劣化・レンズの汚れ。典型的なのが「音楽CDは鳴るのに、ゲームだけ読まない」。読み取りの精度が要る側から先に落ちるので、こういう出方になります
- バックアップ電池の消耗。セーブが消えます。そのまま放置すると液漏れして、周りの配線まで持っていかれる
- 電解コンデンサの容量抜け。動くけれど不安定、という個体はここを疑います
ギアは経年で必ず硬くなって、内側から割れる部品です。四十年近く前の樹脂に、まだ動けというほうが無茶な話で。

⑤ 改造メモ ― 開ける前に確認してほしいこと
やることは決まっています。有志の方が作っている互換ギアへの交換、レンズ清掃、電解コンデンサの交換、バックアップ電池のホルダー化。この4つで、たいていの個体は戻ります。
ただ、その前に確認してほしいのがシステムカードです。Ver違いで動くソフトが変わるので、動かない=本体故障とは限りません。ここを先に見ないと、壊れていない機械を分解することになります。
あと、ODEやドライブレス化の話題も出ますけど、うちが触れるのは自分が現物のディスクを持っているソフトのバックアップを回すという範囲までです。入手先や手段は書きません。そこは線を引いています。
そして分解とはんだ付け。温度管理されたこて先と拡大鏡が無いと、パッドを剥がして戻せなくなります。店では非推奨です。持って来てください。

光学ドライブが読まない、は今も現役の悩み
「音楽CDは鳴るのにゲームは読まない」って、実は今でも同じ切り分けが効きます。ディスクを読む機械は、精度が要る側から順に落ちていくので。
PS5のディスクドライブも、Switchのカードスロットも、原理としては地続きなんですよね。PS修理とSwitch修理は、うちの日常業務です。読み込みが怪しくなってきたら、悪化する前にどうぞ。金額は修理料金表に載せています。
押し入れで眠っている機械やソフトは、動かないと思っていてもスマホ買取で査定できます。歯車1個で三十年ぶりに読み出す個体、けっこうあるので。
未来を先に見た機械ほど、未来まで生き残れない。開けて最初に目に入るのが1988年設計の小さな歯車、というのが、この機械のすべてを言っている気がします。
明日は音の話。メガドライブの音が痩せる理由です!
スマホ119は沖縄県内に8店舗を構えるスマホ・iPhone修理店です。スマホだけでなく、ゲーム機(Switch・PS・3DS・PSP等)の修理・買取も承っています。
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