スマホ119 専務の現場ノート
専務ブログ現場から、次の119へ。
壊れたiPhoneを自分で直したあの日から、修理ひと筋で11年。いまは専務として全店舗の現場を回り、仲間の技術と心に火をつけるのが仕事です。スマホ119を責任持って引っ張っていく覚悟と、現場で起きているリアルを、そのまま書いていきます。
- 修理歴 11年たたき上げ
- 全 8 店舗現場を統括
- 育てる仲間と技術
背中で教えて、言葉で渡す。
こんにちは!スマホ119で専務をしています、富村レオです(^^)
据置図鑑の㉑。昨日が赤いリングだったので、今日は黄色いランプです。同じ時代を戦った、もう一方の機械。

①あの頃 — 2006年11月、ゲーム機の顔をした兵器
発売は2006年11月11日。
値段でだいぶ騒がれました。20GBモデルは当初62,790円(税込)と発表され、発売前に49,980円(税込)へ改定。60GBモデルはオープン価格。ゲーム機に六万円、というのが当時の世間の受け止めです。
ただ、あの値段には理由があって。全台にBlu-rayドライブを標準搭載したからなんですよね。
当時はBlu-rayとHD DVDが次世代ディスクの座を争っていて、決着はついていませんでした。そこへ、確実に何百万台と売れるゲーム機が、片方だけを全台に積んで登場する。……ゲーム機の顔をした、規格戦争の兵器です。実際、フォーマット戦争はこの一台が事実上決着させました。
次の十年のディスク規格を、ゲーマーに買わせた。うまいですよね(笑)
僕は当時8歳。この二十四日後に九歳になっています。八歳が買える値段ではなかったのは、まあ、はい。
②遊んでた — 重い一本を、じっくり遊ぶ機械
代表作を並べると、メタルギア ソリッド4、グランツーリスモ5、アンチャーテッド、デモンズソウル、みんなのGOLF5。
こうして見ると性格が出ています。一本を長く遊ばせるソフトが多い。映像の密度で殴るタイプというか。ディスクの容量に余裕があると作れるものが変わる、というのが分かりやすく出た世代だと思います。
ちなみに余談をひとつ。うちの父、グランツーリスモ5のためにカート型のコントローラーを自作していました。……その話は、またいつか(笑)

③開けてみる — 互換のために、前世代のチップを載せた
CPUはCell Broadband Engineが3.2GHz、GPUはRSX Reality Synthesizerが500MHz。そこへBlu-rayドライブが全機標準です。
個人的に好きなのは、この二つ。
- HDDが2.5インチのSATAで、ユーザーによる交換がメーカー公認だった。当時としてはかなり珍しい話です
- 初期型のCECHA/CECHBは、前世代のEE+GSチップを実際に基板へ載せてPS2互換を実現していた。ソフトで真似るんじゃなく、現物を積んだ
その互換チップは、CECHH(40GB)以降で削られます。Linuxなどを入れられた「Other OS」機能も、ファームウェア3.21で削除。買ったあとに機能が減るという経験を、多くの人にさせた機械でもありました。
2009年9月にはCECH-2000で内部部品を見直した薄型が登場し、発熱と消費電力が大きく改善。日本での累計販売は、2014年12月に1000万台へ到達しています。

④今、壊れるとこ — 黄ランプ(YLOD)の正体
電源ランプが緑から黄色に変わって、赤い点滅で落ちる。これがYLOD(Yellow Light of Death)です。
原因は、大きく二つ。
- Cell/RSXのBGAはんだクラック。昨日書いた赤リングと、まったく同じ機序です
- プロードライザの劣化。CellとRSXへ大電流を送るための電源用コンデンサ(NEC/TOKIN製)が、寿命を迎える
とくに初期型の60GB(CECHA00)は発熱が大きく、この症状がよく来ます。
もう一つの定番がBlu-rayドライブ。レーザー(KES-400A系)が劣化すると、「ゲームは起動するのにディスクを読まない」「CDは読むのにBDだけ読まない」という出方をします。Wiiの二層ディスクの回と理屈は同じですね。読み取りがシビアなほうから、先に落ちる。
あとは2.5インチHDDの経年死。ここは、中の記録も一緒に消えます。

⑤改造メモ — ドライブは、丸ごと移植できません
YLODの根治寄りの処置は、プロードライザをタンタルコンデンサ群へ置き換えること。必要ならBGAリボールも。ヒートガンで炙るリフローが一時しのぎなのは、昨日と同じです。
HDDは2.5インチSATAで交換できますが、本体に入れると初期化されます。バックアップユーティリティでの事前の退避が必須。ここを飛ばして中身が消えた、という相談はけっこう多いんですよね。
で、いちばん引っかかりやすいのがここ。
Blu-rayドライブは、制御基板とドライブ本体がペアで紐づいています。なので、別の個体からドライブを丸ごと外して移植しても認識しません。やるならレーザーユニット(KES)だけの交換か、元の制御基板をそのまま移す。知らずに丸ごと交換して「動かない」と持ち込まれるパターン、あるあるです。
ここは道具も判断もいる作業なので、迷ったら開ける前に持って来てください。分解してからのほうが、直すのは難しくなります。

だから、今のスマホも直せます
この機械、面白いんですよ。
当時最先端のCPUを積んで、Blu-rayで規格戦争を取って、六万円と言われて。それだけの機械が、今どうやって死ぬかというと。
殺しているのは、CellでもBlu-rayでもなく、電源をならすためのコンデンサひとつです。
これ、スマホでもまったく同じことが起きます。「電源が入らない=基板が死んだ=もう終わり」と思われがちなんですが、実際に替えるのは電源まわりの小さな部品ひとつ、ということが普通にある。豪華な部分じゃなく、地味な部分から死ぬ。機械はだいたいそうです。
だから、電源が入らなくなっても、その場で捨てないでほしいんですよね。中の写真やデータだけでも取り出せることがあります。
据置ゲーム機の相談はPS修理のページ、料金の目安は修理料金表から。中のデータが心配なときはデータ復元もどうぞ。動かない機械に値段が付くこともあるので、迷ったらスマホ買取で査定してみてください(^^)

次回は早すぎた二画面の話。携帯機の図鑑でずっと引っぱっていた裏テーマを、ここで回収します。
スマホ119は沖縄県内に8店舗を構えるスマホ・iPhone修理店です。スマホだけでなく、ゲーム機(Switch・PS・3DS・PSP等)の修理・買取も承っています。
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