スマホ119 社長の手記
社長ブログ視点と、本音と、物語。
修理の話より、その奥の話を。息子の割れたiPhoneを自分で直した日から、沖縄で店を続けてきた僕が、現場で考えたこと・好きなモノづくりのこと・うまくいかなかった日のことまで、飾らずに書き残していきます。
手を動かした分だけ、書ける。
▼ この記事を、ショート漫画にしました(タップで再生・音が出ます)
皆さまこんにちは!スマホ119の富村です^^)
今月は自分の本『仕組みは、人を信じるために作る』を、頭から1章ずつ開いています。今日は第6章「仕組みは、人間味を増やす」。
100章の中で、いちばん誤解されやすい章だと思っています。

「それってロボットみたいになりませんか」
仕組み化の話をすると、必ず言われました。ほぼ100%です(笑
受付の手順を決める。料金の伝え方を揃える。判断の基準を紙に書く。そこまで説明すると、相手の顔がすっと曇るんですよ。そして決まってこう言われる。「でも社長、それってロボットみたいになりませんか」って。
気持ちは分かります。人間らしさが消える気がする。決められた通りにしか動けない人が並ぶ職場を、つい想像してしまう。僕だって、最初は少し怖かった。

同じ質問が、言い方だけ変えて戻ってきた
面白いもので、あれから10年以上たった今、まったく同じ質問が僕のところに戻ってきています。
「AIを入れたら、接客が冷たくなりませんか」
ね。同じでしょう。
主語がマニュアルからAIに変わっただけで、心配していることは寸分違いません。相手が引っかかっているのは道具じゃなくて、人の扱いが雑になることなんです。だからこの質問は正しい。むしろ、この心配をまったくしない人のほうが危ないと僕は思っています。

仕組みは、愛情表現の集合体だ
スタッフに言い続けている言葉があります。
「仕組みは、愛情表現の集合体だ」
大げさですか(笑)でも中身はものすごく地味なんです。
受付で聞く順番を決めたのは、新人が「次に何を聞けばいいんだろう」で固まらないため。料金の伝え方を揃えたのは、お客さまが人によって違う金額を聞かされて不安にならないため。データの確認を手順に組み込んだのは、誰か一人が忘れて、誰か一人が泣く夜を作らないためです。
ぜんぶ「誰かが困らないように」から始まっている。そういうものを積み上げていくと、職場はなぜかあたたかくなります。冷たくなるどころか、逆でした。

冷たくなるのは、道具のせいじゃない
今日いちばん書きたいのはここ。
マニュアルもAIも、ただの道具です。冷たくなるのは道具のせいじゃなくて、作った人の設計思想が冷たかっただけ。
「サボらせないため」「文句を言わせないため」「人件費を浮かせるため」。この動機で作った仕組みは、どれだけ丁寧に整えても冷たい匂いが残ります。使う側にはバレます。お客さまにもバレる。
逆に「この人が一人で抱えないように」から作ったものは、多少不格好でもちゃんと温かい。同じマニュアル、同じAI、それでも出てくる温度が正反対になるんですよね。
見分け方は、そんなに難しくありません。その仕組みが「誰の手間を減らしたか」を数えてみればいい。減ったのが会社の手間だけなら、それは管理の道具です。現場とお客さまの手間が一緒に減っているなら、たぶん温かいほうの仕組み。

うちのAIは、何をしているのか
実例をひとつ。
サイトの右下に、質問に答えるチャットの子がいます。あれを置いたのは「電話するほどでもないけど気になる」を拾うためです。夜中の1時に「画面バキバキなんですけど直りますか」と打ち込む人が、けっこういるんですよ。朝の10時まで、その不安を一人で抱えなくていいように。
よく聞かれることはよくある質問のページへ勝手にたまっていく作りにしました。同じ説明を100回するのが面倒だからではありません。101人目が、深夜でも答えにたどり着けるようにです。
結局そのあとスタッフが電話で話し込む日もあります。それでいい。AIは受付の代わりではなくて、店が閉まっている時間の当直みたいなものだと思っています。
逆に、渡したくない場面もあります。お断りするとき。こちらの落ち度をお詫びするとき。文章にすると短いのに、誰の口から出たかで意味がまるっきり変わる場面です。ここまで自動にしたら、本当に冷たくなる。線をどこに引くかは、道具ではなく人間が決める仕事だと思っています。

温度を決めるのは、僕のほうです
沖縄で現在8店舗(2026年時点)。僕が一人で全部の現場を見られる規模は、とっくに超えました。
それでも、どの店に入っても同じ安心が届いてほしい。仕組みはそのために作っています。人を縛る道具ではなく、人を信じるための土台。だから本のタイトルもああなりました。
「AIを入れたら冷たくなりませんか」。これからも聞かれるはずです。そのたびに、こう答えます。
冷たくなるかどうかを決めるのはAIじゃなくて、僕ですよ、と。
本の中身が気になった方はBOOKのページへ。夜な夜な作っているアプリの話はアプリ開発のページにまとめてあります。
そしてもちろん、割れた画面を直すのは人間の手です(笑) 料金は修理料金表からどうぞ。
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