スマホ119 専務の現場ノート
専務ブログ現場から、次の119へ。
壊れたiPhoneを自分で直したあの日から、修理ひと筋で11年。いまは専務として全店舗の現場を回り、仲間の技術と心に火をつけるのが仕事です。スマホ119を責任持って引っ張っていく覚悟と、現場で起きているリアルを、そのまま書いていきます。
- 修理歴 11年たたき上げ
- 全 8 店舗現場を統括
- 育てる仲間と技術
背中で教えて、言葉で渡す。
こんにちは、専務の富村レオです(^^)
据置図鑑⑫。今日はセガサターンです。
この機械、うちに持ち込まれるときの第一声がだいたい決まっているんですよ。
「電源を入れると、毎回日付から聞いてくるんです」
はい、それ故障です。でも直せます。原因もはっきりしています。

①あの頃 ― 2年で半額以下になった値札
発売は1994年11月22日、価格は44,800円(税別)。
この44,800円というのがそもそも面白くて、もともと49,800円の予定だったのを、発売から半年間のサービス価格として5,000円引いた金額なんです。最初から値下げを内包した値札。
そこから1995年7月に34,800円、1996年3月には20,000円。2年経たずに半額以下です。初代プレイステーションとの殴り合いが、そのまま値札に出ている。
僕は1997年12月生まれなので、これも生まれる3年前の機械。物心ついたころには、もう店頭から消えていました。
②遊んでた ― 3D格闘が、家に来た日
後追いで触った側なので、当時の熱狂は伝聞です。それでもソフトを並べると、この機械が何を持ち込んだかは分かります。
バーチャファイター2(1995)。テクスチャを貼ったポリゴンで殴り合う格闘ゲームで、3D格闘を一般家庭に持ち込んだ決定打でした。
サクラ大戦(1996)。アドベンチャーとシミュレーションを混ぜて、そこへフルボイスを載せた作り。会話の選択に制限時間があるのが特徴で、迷っているうちに時間が切れる。人と話す緊張感をゲームの仕組みにしてしまった、という一本です。
レイディアントシルバーガン(1998)。撃った敵の色をつないで稼ぐシューティング。中古価格が高騰した一本としても有名ですね。

③開けてみる ― チップだらけの基板
開けると、とにかくチップが多い。SH-2を2個載せたデュアルCPUに、描画のVDP1とVDP2、さらにサウンド用のCPUまで載っています。
正直、これは作るのも作らせるのも大変だっただろうな、と一目で分かる基板なんですよ。開発者泣かせだったという話は有名ですが、蓋を開けると説得力が違う。
ほかに、CD-ROMドライブ、上面のカートリッジスロット、そして電源が内蔵。100Vが直接入ってくるスイッチング電源なので、ここの部品が劣化すると、そのまま「起動しない」に直結します。
そして今日の主役、内蔵バックアップRAMを保持しているCR2032。基板の上の、あの銀色のコイン。

④今、壊れるとこ
- 内蔵CR2032の電池切れ。本体側のセーブが全部消えて、電源を入れるたび日付設定の画面から始まる。サターンで一番遭遇する故障です
- 光学ピックアップの劣化。読まない、読み込みが遅い、途中で止まる
- 電源部の電解コンデンサ劣化。電源が入らない、入ってすぐ落ちる
- パワーメモリーのデータ消失。外付けのセーブ用カートリッジですが、内部フラッシュの劣化でデータが飛ぶ持病持ち。当時から「信用するな」と言われていました
- ドライブのギアのグリス固着。フタまわりの動きが渋くなる
電池が切れるのは、30年前の部品としてはむしろ当たり前。持ち主のせいでも、遊び方が悪かったわけでもないです。

⑤改造メモ
- CR2032の交換。ホルダーに入っているので、そこは素直
- 電源部のコンデンサ交換
- ピックアップの交換。自分が現物のディスクを持っているソフトを回す前提で、ドライブそのものを使わない構成にする方法もあります
- パワーメモリーは、現行のSDカード式の代替品へ
- RGB出力にアップスケーラを噛ませてHDMIへ
で、ここは止めておきます。「通電したまま電池を替えればセーブが残る」という定番テク。
理屈は分かるんですけど、100Vが入ったままの狭い基板の上で工具を滑らせたら一発です。感電と短絡、どちらも笑えない。うちは非推奨で通しています。
あと、黄ばみ抜きのレトロブライトも店ではやりません。樹脂が脆くなって、数年でまた黄色くなるので。

消えたのは、あなたのせいじゃない
電池が切れたら記憶が消える。当たり前の話ですが、実際にセーブが消えた画面を見ると、みんな自分を責めるんですよね。何か操作を間違えたんじゃないか、と。
違います。30年ぶん、電池が仕事をし続けただけ。
これ、うちの日常とまるっきり同じでして。バッテリーの持ちが悪くなったスマホを持ってきて「使い方が悪かったんでしょうか」と聞かれることが、本当に多い。消耗品が消耗しただけです。目安はバッテリー交換のページに書いています。

電池が切れているだけの機械が、動かないと思われて処分されていく。あれが一番もったいない。捨てる前にスマホ買取から声をかけてください。ゲーム機とソフトも見ます。修理の料金は修理料金表のほうで。
1994年の基板でコイン電池を替える手つきと、2026年のiPhoneでバッテリーを替える手つきは、正直あまり変わりません。だから僕らは、どっちも直せます(^^)
次回は据置図鑑⑬、初代プレイステーション。「逆さまにすると読む」あの都市伝説の真相をやります!
スマホ119は沖縄県内に8店舗を構えるスマホ・iPhone修理店です。スマホだけでなく、ゲーム機(Switch・PS・3DS・PSP等)の修理・買取も承っています。
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