スマホ119 専務の現場ノート
専務ブログ現場から、次の119へ。
壊れたiPhoneを自分で直したあの日から、修理ひと筋で11年。いまは専務として全店舗の現場を回り、仲間の技術と心に火をつけるのが仕事です。スマホ119を責任持って引っ張っていく覚悟と、現場で起きているリアルを、そのまま書いていきます。
- 修理歴 11年たたき上げ
- 全 8 店舗現場を統括
- 育てる仲間と技術
背中で教えて、言葉で渡す。
こんにちは!スマホ119で専務をしています、富村レオです(^^)
据置図鑑の13台目。今日はあの灰色の箱、初代プレイステーションです。
この機種の話になると、必ず誰かが言うんですよね。「逆さまにすると読むんだよ」って。縦に立てる、横に倒す、思い切ってひっくり返す。裏技みたいに語り継がれてきたアレです。
あれ、ちゃんと理由があります。しかも、けっこう切ない理由が。

①あの頃 — 1994年12月3日、39,800円
発売は1994年12月3日。定価は39,800円(税別)で、初回に出した10万台が完売しています。
僕が生まれる3年前です。
だから正直に書きますね。僕はこの機械のリアルタイム世代じゃないです。発売日の行列も、初めて3Dのゲームを見たときの衝撃も、体験としては持っていない。ただ、フタを開けた回数なら、たぶん当時買った人より多いと思います(笑)
②遊んでた — 後追いで触った3本
順番に。
ファイナルファンタジーVII(1997)。あらかじめ描き込んだ背景の上をキャラクターが歩いて、要所でCGムービーが流れる。RPGの「見せ方」を丸ごと入れ替えて、この機械の天下を決めた一本です。
バイオハザード(1996)。カメラが固定なので、自分の視界が制限される。弾も限られていて、戦うより逃げるほうが正解の場面がある。作品名がそのままジャンルの名前になってしまいました。
リッジレーサー(1994・ローンチ)。ドリフトで曲がる3Dレース。発売と同時にこの1本を置いてきたあたり、名刺代わりですよね。
当時これがどれだけ衝撃だったかは、僕には想像するしかないです。でもリッジのケツを流しながらコーナーを抜ける気持ちよさだけは、今遊んでもちゃんと分かる。あれは古びてない。
③開けてみる — 中身はけっこう素直
構成はR3000A系のCPUに、3Dの座標計算専用のGTE、それとGPU。今のスマホでいえば、CPUの横にグラフィック専用の相棒を座らせた形です。
面白いのは光学ドライブのほう。KSM-440系といって、レーザーを積んだピックアップが樹脂でできたレールの上を滑って内周から外周へ動きます。この樹脂のレールが、あとで効いてくるので覚えておいてください。
あと最初期のSCPH-1000だけ、背面にRCAの音声出力とシリアル端子が付いています。音がいいと今でも指名買いされる型番。初期型は電源が本体内蔵で、後期のSCPH-9000やPS oneは外部ACアダプタ。同じ機種名でも、世代で中身がかなり違うんです。
セーブデータは本体側じゃなくて、メモリーカードのフラッシュに入ります。ここも地味に大事。

④今、壊れるとこ — 「読み込まない」の一点
うちに来る初代PSは、ほぼこれ一択です。ディスクを読まない。
原因は2つが重なっています。
- レーザーの出力が落ちている
- KSM-440の樹脂レールが摩耗して、グリスが固まり、ピックアップが動けない

「逆さまにすると読む」の正体
レールが渋くなると、ピックアップは自分の力で移動できなくなります。ところが本体の向きを変えると、ピックアップに重力がかかる。渋くなったレールの上を、自重で滑ってくれるんですよ。
つまりあの裏技は、レールの摩耗を重力でごまかしていただけ。
言い方を変えると、あの裏技が効いた個体は、その時点でもう寿命の坂を下り始めていたということになります。だから当時ひっくり返して遊んでいた個体は、今ほぼ全滅しているんです。ちょっと切ない話でしょう。
そのほかに来る症状も並べておきます。
- 電解コンデンサの劣化
- メモリーカードのデータ化け(セーブが「壊れています」表示になる)
- フタの開閉を見ているリッドスイッチの接触不良

⑤改造メモ
延命の手は、ちゃんとあります。
- ピックアップユニット(KSM-440ADM等)を交換し、レールを清掃してグリスを入れ直す。これが王道
- レーザー出力の可変抵抗を調整する。ただしこれは店でも息を止めてやる作業。回しすぎるとレーザーが一瞬で死にます。元の位置に印を付ける前提の作業なので、家で「とりあえず回してみる」は本当にやめてください。持って来てもらったほうが早いです
- ODEに換装してディスクレス化する。読み込み故障そのものを消せるので、初代PSでは今いちばん人気の延命策。動かすのは自分が現物を持っているソフトのバックアップまで、が線引きです
- 電解コンデンサの交換
- マルチAV端子からRGBで出して、アップスケーラ経由でHDMIへ
- SCPH-1000なら、あの音声出力を活かした構成に
※ゲームソフトのデータを吸い出したり配布したりする行為は、たとえ自分で買ったソフトでも法律に触れる可能性があります。この記事は技術と文化の話で、やり方の紹介ではありません。

だから、今のスマホも直せます
「向きを変えると動く」って、実は今でもあるんですよ。
落としたスマホを傾けたら一瞬だけ画面が映る。あれはコネクタが浮いていて、角度で接触が戻っているだけです。PS5のディスクドライブが読まなくなるのも、原理としてはピックアップの劣化。
30年経っても、機械の壊れ方はそんなに変わっていないんですよね。だから昔の機械を開けてきた人間は、今の機械も開けられます(^^)

据置機のディスクドライブや電源まわりはPS修理のページから相談できます。費用の目安は修理料金表をどうぞ。もう直さないと決めた機械は、スマホ買取のほうでゲーム機も見ています。押し入れで眠っている灰色の箱、まだ間に合うかもしれません。
次回は、削れて白い粉が出るあのスティックの話。NINTENDO64です。
スマホ119は沖縄県内に8店舗を構えるスマホ・iPhone修理店です。スマホだけでなく、ゲーム機(Switch・PS・3DS・PSP等)の修理・買取も承っています。
画面割れ・バッテリー・水没・データ復旧など、お気軽にご相談ください(^^)
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