スマホ119 社長の手記
社長ブログ視点と、本音と、物語。
修理の話より、その奥の話を。息子の割れたiPhoneを自分で直した日から、沖縄で店を続けてきた僕が、現場で考えたこと・好きなモノづくりのこと・うまくいかなかった日のことまで、飾らずに書き残していきます。
手を動かした分だけ、書ける。
▼ この記事を、ショート漫画にしました(タップで再生・音が出ます)
皆さまこんにちは!スマホ119の富村です^^)
一昨日に続いて、自分の本を開いていきます。今日は第3章、『属人化は、借金』。
変なタイトルですよね。人に頼ることを借金と呼ぶなんて、失礼にも聞こえます。それでもこの言葉しか思いつかなかった朝があるんです。

39度のLINEが来た朝
右腕だったアキラ(仮名)から、短いLINEが届きました。
「熱が39度あります。動けません」
読んだ瞬間、頭に浮かんだのは彼の体調ではありませんでした。今日、誰が回すんだ。それが先に来た。人としてどうなんだと自分でも思います。
2店舗の運営、シフトの調整、新人の教育、クレームの最終対応。数えていったら、ほとんどぜんぶがアキラの上に乗っていました。
その日、僕は一日中あちこちに電話をかけて、頭を下げて、なんとか店を回しました。夜には無事に閉められた。よかった、で終わらせてしまえば、それまでだったと思います。
でも帰り道の車の中で、はっきり分かってしまったんですよ。あれは経営じゃない。返済だったと。

なぜ、借金なのか
ひとりの人に仕事が集まっている状態は、その人が優秀な証拠です。褒めるべきことでもある。
ただ、会社の側から見ると景色が違います。
借りたお金には利息がつきますよね。属人化にも同じものがつくんです。その人が休めない、辞められない、任せられない。この三つが、日々ちょっとずつ積み上がっていく利息。
そして返済期限は、ある日いきなり来ます。熱、家庭の事情、けが。うちは39度のLINEでしたが、もっと厳しい形で来る会社もある。
属人化をほどくのは、その人の値打ちを下げる作業じゃありません。返済装置にされてしまった人を、そこから外す作業です。本にはそう書きました。
ほどけてきたかどうかの見分け方も、あります。質問が減る。叱る回数が減る。ミスが減る。この三つが同時に下がり始めたら、返済が始まったサイン。

返し終わった借金
では、うちはどこまで返したのか。帳簿を開くつもりで書きます。
受付。何をどの順で聞くかは固まりました。誰が立っても同じ流れになります。
料金。これは表にして外へ出した時点で、ほぼ完済です。修理料金表を見れば、僕がいなくても答えは同じ。お客さまが自分で確かめられる状態というのが、いちばん強い。
在庫。勘で答えていた時代から、数字で答える形になりました。ここは正直、まだ利息が少し残っています。
いま(2026年時点)沖縄で8店舗。この規模でこの三つが揃っていなかったら、たぶん僕は毎晩どこかの店に呼ばれていたはずです。
お客さまから見ても、属人化は他人事じゃないんです。「前に見てくれた人がいい」と指名をいただくことがあります。ありがたい話。ただ、その人が休みの日に来られた方があきらめて帰ってしまったら、それはうちの負けです。指名されなくても同じ答えが出る店にしたい。

まだ残高がある借金を、三つ
ここからが今日の本題。恥ずかしいほうの話です。
ひとつ目、採用の最終判断。会って、話して、決める。この部分がまだ僕の頭の中にしかありません。何を見て「この人だ」と思ったのか、自分でもうまく説明できていない。説明できないものは、渡せません。
ふたつ目、新しいことを始めるかどうかの判断。やる、やらない、やめる。これも僕が決めています。しかも決め方に一貫した基準があるかというと、怪しい(笑
三つ目、社内の道具づくり。ここ数年、記事を書く仕組みや数字を見る画面を自分でこしらえてきました。夜な夜な、ひとりで。アプリ開発のページに並べているアプリも同じで、2026年8月の時点で11本、全部ひとりで作っています。楽しいんです。楽しいんですが、これはもう完全に属人化ですよね。。

最後の借金は、たぶん僕
本の第3章を書いたときは、スタッフの属人化をほどく話のつもりでした。
いま読み返すと、いちばん残高が大きいのは自分です。
社長業というのは、ほどきにくい借金の代表格だと思います。誰も催促してくれないし、本人は「これは自分にしかできない」と信じ込んでいる。しかも、そう信じているほうが気持ちがいい。
だから最近は、判断そのものを渡すのではなく、判断した理由を口に出すようにしています。「なぜ今これをやめると決めたか」を、その場でしゃべってしまう。ノートに残すより早いし、聞いた人の頭には残る。
返し終わるのは、たぶん何年も先です。それでも、残高がどこにあるか分かっているだけで、夜は少し眠れるようになりました^^)

本の全体はBOOKのページにまとめてあります。次の第4章は「仕組みの第一歩は『迷い』を減らすこと」。カウンターの横に黙って立つ話です。
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