スマホ119 社長の手記
社長ブログ視点と、本音と、物語。
修理の話より、その奥の話を。息子の割れたiPhoneを自分で直した日から、沖縄で店を続けてきた僕が、現場で考えたこと・好きなモノづくりのこと・うまくいかなかった日のことまで、飾らずに書き残していきます。
手を動かした分だけ、書ける。
皆さまこんにちは!スマホ119の富村です^^)
第Ⅱ部も、今日を入れてあと2章です。今日は第23章「ベテランを、神にしない」です。
「あの人に聞けば大丈夫」。職場でも、家庭でも、町内の集まりでも、こういう人がいますよね。今日は、その人の側から見た話を書きます。
先に断っておくと、ベテランが要らないという話ではありません。むしろ逆で、大切な人だからこそ、一人で背負わせない形を考えたい、という話です。

頼る側は気づかない
頼られる人は、たいてい優秀です。判断が速く、空気も読め、周りの信頼もある。だから皆、ますますその人に聞くようになります。
本には、そういう人が一日休んだだけで、店の動きが止まった場面を書きました。誰も悪くありません。ただ、判断がその人に集まりすぎていた。
その仕組みの怖さは、9月の「できる人」に頼るのをやめた日にも書いたので、ここでは繰り返しません。今日は、頼られ続けている本人の話です。

神様にされた人は、断れない
質問が集まり、例外の判断が集まり、トラブルの連絡が集まる。頼まれた本人は、断りません。断れない、というほうが正しいかもしれません。
周りは「あの人なら大丈夫」と思っているので、負荷に気づかない。信頼しているつもりで、少しずつ荷物を積んでいる。
僕がこの状態を怖いと感じたのは、仕組みが止まるからだけではなく、いちばん頑張っている人から先に、すり減ってしまうからです。

守るために、普通の人に戻す
対策は、その人を特別扱いから外すことでした。冷たい話ではありません。むしろ逆です。
まず、その人がなぜそう判断したのかを聞く。最初は「なんとなく」と返ってきても、重ねて聞くと、経験が磨いた基準が出てきます。何を見て、何を優先しているのか。
それを言葉にして、分かれ道の形にする。「この場合はこちら」「ここを超えたら相談」。頭の中にあった暗黙の基準が、皆が見られる地図に変わります。
聞き出す作業は、正直ちょっと根気がいります(汗 急かさず、否定せず、まず「なるほど」と受け止める。そのかわり、本人が自分の判断の筋道を初めて言葉にして、「そういえばそうだった」と気づく瞬間は、聞く側にとってもうれしい時間です。

家庭にも、小さな神様はいる
身近な例で言えば、家の中で「お母さんに聞けば分かる」「お父さんがいないと分からない」という場面です。
家計の管理、書類の置き場、家電の設定。一人の頭にしまわれていると、その人が忙しい時や疲れた時に、家全体が止まります。ささいな日常ほど、こうした依存は気づかれないまま続いていきます。
頼られている本人も、「また私だ」と思いながら、言い出せずにいるかもしれません。
頼る側が気づかないだけで、頼られる側は静かに疲れているのです。それを知るだけでも、頼み方は変わります。「いつもありがとう」の一言に、「何か手放せることはない?」を添えるだけでも、空気は変わります。

教える人から、仕組みを育てる人へ
本には、判断が共有されたあと、周りが少しずつ自分で考えるようになったこと、頼られていた本人が「教える人」から「仕組みを育てる人」に変わったことを書きました。
これは格下げではなく、格上げだと僕は思っています。その人の経験は仕組みの中に残り、その人自身は消耗から守られる。しかも、新しく入った人が育つ速度も上がります。頼る先が一人から仕組みに広がるので、誰かが休む日にも、店の呼吸が乱れにくくなります。
派遣会社時代に見た、営業成績トップの社員に仕事が集中していた場面も、同じ構造でした。あの経験が、同じ形を繰り返したくない理由になっています。

それは信頼なのか、依存なのか
最後に、一つだけ。
うちの店にも、「あの人がいないと」と思ってしまう場面は、まだ残っているはずです。感謝を伝えるのと同じくらい、その人の頭の中を共有できる形にしていくのが、僕の仕事だと思っています!
「それは信頼じゃなくて、依存だから。」少し強い言い方ですが、頼る側が自分に向けて言う言葉だと思っています。頼られるのは嬉しいことですが、それを続けてもらう仕組みまで作ってこそ、本当の感謝だと思うのです。
明日は趣味の回です。苔と流木の水槽の写真が出てきました。
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