スマホ119 専務の現場ノート
専務ブログ現場から、次の119へ。
壊れたiPhoneを自分で直したあの日から、修理ひと筋で11年。いまは専務として全店舗の現場を回り、仲間の技術と心に火をつけるのが仕事です。スマホ119を責任持って引っ張っていく覚悟と、現場で起きているリアルを、そのまま書いていきます。
- 修理歴 11年たたき上げ
- 全 8 店舗現場を統括
- 育てる仲間と技術
背中で教えて、言葉で渡す。
こんにちは、専務の富村レオです(^^)
改造図鑑の第29回。横断テーマ編の2本目は、この連載で何度も名前だけ出してきた言葉に、ちゃんと決着をつけます。
IPS液晶化。レトロゲーム機の改造で、いちばんの定番です。
「改造メモのところにいつも書いてあるアレ、結局なんなの?」という方、今日で全部わかります。

そもそも、昔の画面は何がつらかったのか
初代ゲームボーイの画面を思い出してください。見たことがない世代の方は、第1回をどうぞ(笑)
あの画面のつらさは、3つありました。
- 暗い。バックライトがないので、光の下でしか遊べない。夜の布団の中では絶望
- 残像がすごい。動きの速いものが尾を引く。当時の液晶の応答速度の限界です
- 角度にシビア。ちょっと傾けると見えなくなる。ちょうどいい角度を探し続ける遊びでした
全部、当時の液晶技術の限界です。逆に言えば、液晶さえ現代のものに替えれば全部解決する。それがIPS液晶化の発想です。
IPSってなに?
IPSは液晶の駆動方式の名前で、ざっくり言うと「どこから見てもきれいに見える方式」です。視野角が広く、発色が良い。今のスマホの画面でも主流の方式のひとつです。
レトロ機用のIPS化キットは、この現代の液晶パネルを、昔の機種の画面サイズに合わせて作ったもの。元の液晶を取り外して、載せ替える。すると──
- バックライト付きで暗闇でも遊べる
- 残像が消えて、動きがくっきり
- 明るさ調整までできる(元の機種にはなかった機能!)
30年前の機械に、現代の目が入る。写真で見ると、同じゲームとは思えないですよ。


作業としては、何をするのか
工程をざっくり並べると、こうです。
- 本体を開けて、元の液晶とフレキケーブルを外す
- IPSパネルを取り付けて、変換基板を接続する
- 機種によっては、シェル(外装)の内側を少し削ってスペースを作る
- 明るさ調整用の配線を仕込む場合も
正直に言うと、難易度は機種によってピンキリです。ポン付けに近いキットもあれば、細かいはんだ付けと外装加工が必要な機種もある。
フレキケーブルは薄くて破れやすいし、はんだは一点集中の世界。このへんの手つきは、僕らが毎日やっているスマホの画面交換と完全に同じ技術です。だからうちのスタッフはみんな、この話になると目が輝きます(笑)

やる前に知っておいてほしいこと
いいことばかり書いたので、注意点も正直に。
- 電池の減りは早くなります。バックライトは電気を食うので。電池側の対策とセットで考えるのがおすすめ
- オリジナルの見た目は失われます。あの緑がかった画面も、歴史の一部。コレクション価値を重視するなら、無改造個体は無改造のまま残す判断もあります
- 失敗すると戻れない。外装を削る改造は特に。最初の一台は、思い入れのない個体で練習するのが鉄則です
個人的には、「遊ぶ用はIPS化、保存用はオリジナル」の二台持ちが理想だと思っています。

「あとから良くする」という文化
IPS液晶化のいちばん好きなところは、思想なんです。
メーカーの保証もとっくに切れた、部品もない、30年前の機械。それを「もう終わり」にしないで、現代の部品で発売当時より良くしてしまう。前回書いたSwitchのホールセンサースティックも、同じ文化の続きです。
機械は、あとから賢く直せる。この連載でずっと言ってきたことの、いちばん分かりやすい証拠がIPS化だと思います。

画面が暗い、映らない、線が入る。レトロ機でもスマホでも、画面の悩みは店舗で相談してください。料金表もどうぞ。
次回は、僕の原点の話。「はんだごて1本で、世界が変わった」です。
スマホ119は沖縄県内に8店舗を構えるスマホ・iPhone修理店です。スマホだけでなく、ゲーム機(Switch・PS・3DS・PSP等)の修理・買取も承っています。
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