スマホ119 専務の現場ノート
専務ブログ現場から、次の119へ。
壊れたiPhoneを自分で直したあの日から、修理ひと筋で11年。いまは専務として全店舗の現場を回り、仲間の技術と心に火をつけるのが仕事です。スマホ119を責任持って引っ張っていく覚悟と、現場で起きているリアルを、そのまま書いていきます。
- 修理歴 11年たたき上げ
- 全 8 店舗現場を統括
- 育てる仲間と技術
背中で教えて、言葉で渡す。
こんにちは、専務の富村レオです(^^)
改造図鑑の第30回。切りのいい数字なので、今日はちょっとだけ、僕自身の話をさせてください。
テーマははんだごて。この連載の裏の主役です。
コンデンサ交換も、IPS化の配線も、ゲームギアの復活も、全部この工具がないと始まりませんでした。そして僕がこの仕事をしているのも、元をたどれば、はんだごて1本からなんです。

入口は、壊れたiPhoneだった
僕が技術を覚えたきっかけは、レトロゲームじゃありません。壊れたiPhoneです。
目の前に動かない機械がある。買い替えれば済む話かもしれない。でも「これ、開けたら直せるんじゃないか」と思ってしまった。それが全部の始まりでした。
調べて、開けて、失敗して、また調べて。そうやって手を動かしているうちに、避けて通れない壁が出てきたんです。それが、はんだ付けでした。
ネジを回すだけなら誰でもできる。でも基板の上の部品を替えるには、金属を溶かして、電気の道をつなぎ直す技術が要る。ここから先はドライバーの世界じゃないんだ、と知った日のことは今でも覚えています。
はんだ付けって、何をしているのか
やっていることは、説明すると単純です。
- はんだごての先端は300度以上。そこに、すずを主成分にした合金(はんだ)を当てて溶かす
- 溶けたはんだが、部品の足と基板の銅箔をぬれるように包む
- 冷えて固まると、電気が通る金属の橋ができる
ただ、単純と簡単は違うんですよね。
熱が足りないと、つながって見えて通電しない「いもはんだ」になる。熱を当てすぎると、基板の銅箔ごと剥がれる。ちょうどいい熱を、ちょうどいい時間だけ。文字にすると一行ですが、手が覚えるまでには数をこなすしかありません。


この連載に出てきた「はんだの見せ場」
振り返ると、はんだごてはこの図鑑のあちこちで働いていました。
- ゲームギアのコンデンサ全交換。液漏れした部品を数十個、ひとつずつ付け替える耐久戦
- ゲームボーイの液晶の縦線。フレキの接続部に熱を当て直して復活させる定番作業
- IPS化の明るさ配線。前回書いたとおり、細かい配線の仕込みもはんだの仕事
- 電池端子の腐食修理。食われた端子を外して新しい端子を付け直す
そして、これ全部、今のスマホ修理と同じ技術です。うちで受けている基板修理は、顕微鏡を覗きながら米粒より小さい部品を付け替える世界。レトロ機のはんだ作業は、その原型みたいなものです。

これから始める人へ、正直なアドバイス
「はんだ、やってみたい」という方へ。修理屋からの本音を置いておきます。
- 最初から本命の機械で練習しない。壊れてもいい基板で数をこなすのが結局近道です
- 換気だけはちゃんと。はんだの煙は吸わないに越したことはないです
- 温度調節できるこてと、吸い取り線。道具はこの2つをケチらない
- そして、思い入れのある機械は、無理せずプロに。これは商売抜きで本気で言っています。失敗すると戻れないので

一点のはんだが、人生を変えることがある
大げさなタイトルだと自分でも思います(笑)。でも、本当なんです。
壊れたiPhoneをどうにかしたかっただけの人間が、はんだごてを握ったせいで、機械の中身が分かるようになって、直す仕事が好きになって、気づけば11年目。この連載でレトロゲーム機を開け続けているのも、あの日の延長線です。
技術って、覚えた瞬間から世界の見え方が変わるんですよね。「壊れた=終わり」だった世界が、「壊れた=開けてみよう」に変わる。
その入口が、僕の場合は、はんだごて1本でした。

基板レベルの故障、諦める前に店舗で相談してください。「他店で断られた」からが、うちの基板修理の出番です(^^)
次回は沖縄の話。「沖縄の湿気は、レトロゲーム機の天敵」です。
スマホ119は沖縄県内に8店舗を構えるスマホ・iPhone修理店です。スマホだけでなく、ゲーム機(Switch・PS・3DS・PSP等)の修理・買取も承っています。
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