スマホ119 専務の現場ノート
専務ブログ現場から、次の119へ。
壊れたiPhoneを自分で直したあの日から、修理ひと筋で11年。いまは専務として全店舗の現場を回り、仲間の技術と心に火をつけるのが仕事です。スマホ119を責任持って引っ張っていく覚悟と、現場で起きているリアルを、そのまま書いていきます。
- 修理歴 11年たたき上げ
- 全 8 店舗現場を統括
- 育てる仲間と技術
背中で教えて、言葉で渡す。
こんにちは!スマホ119で専務をしています、富村レオです(^^)
据置編の9台目。今日はメガCDです。
先日メガドライブの回を書きましたが、その本体の下に敷いて合体させる拡張ユニット。それが今日の主役です。合体、っていうのがもう良いんですよね(笑)

① あの頃 — 1991年12月12日、49,800円
発売は1991年12月12日。49,800円。消費税3%の時代で、当時は税別表示が通例でした。のちに1993年4月23日、手動でフタを開ける形に簡略化したメガCD2が29,800円で出ています。
僕が生まれる6年前の機械です。だから当時のワクワクは、正直わかりません。わかるのは数字のほうで、日本での販売は約38万台と見られています。これ、当時メガドライブを持っていた人の1割ちょっと。
十人が本体を持っていて、そのうち一人だけが、下にもう一台足していた。そういう機械です。
② 遊んでた — CDでしかできないことをやっていた
- シルフィード。あらかじめ作り込んだ映像の上を飛ぶシューティング。当時の家庭用で、この背景が動くのは事件でした(日本で15万本)
- LUNAR ザ・シルバースター。アニメーションと声が入ったRPG。今では当たり前ですけど、キャラが喋るという体験がまだ珍しかった
- ソニック・ザ・ヘッジホッグCD。同じステージの過去と未来を行き来して、未来を変えながら走る。世界で150万本
並べてみると、全部「容量があるからできたこと」なんですよね。今のゲームがムービーだらけでフルボイスなのは、この方向の延長線上です。

③ 開けてみる — 未来が、二段重ねで入っている
中身がまた欲張りで。CPUをもう一つ足して、回転・拡大・縮小の機能とPCM音源、それにプログラム用のRAMとセーブ用のバックアップメモリまで載せています。要するに、メガドライブを一段上のハードに作り替える箱。
初代はフタが電動で開くトレイ式。ここが後のメガCD2では手動になりました。コストの話でもあり、壊れどころが減ったという話でもあります。
そして修理屋泣かせなのが電源。ACアダプタと、上のメガドライブ本体からの供給、その両方に依存しています。だから「電源が入らない」と言われても、どっちが悪いのかを最初に切り分けないといけない。ここ、素人殺しです。
基板を覗くと、表面実装の電解コンデンサがずらり。この光景を見た時点で、僕らはだいたい覚悟します。

④ 今、壊れるとこ
この機種は、はっきりしています。表面実装コンデンサの液漏れ。
電源が入らない、入ってもすぐ落ちる。そういう個体は、まず電源まわりのコンデンサから電解液が漏れて、基板の銅箔を侵していると疑います。
怖いのは、これが押し入れの中で静かに進むこと。漏れた液は放置した年数ぶん基板を食べます。「動かないから押し入れ」が、一番まずい保管です。動かない機械こそ、中で進行しているので。
そのほかだと、初代の電動トレイ。経年で歪んで引っかかる、出てこない。歪みは直しようがないので、別の個体から部品を取るしかなくなります。あとはピックアップを送るレールとギアのグリス固着。
もう一つ大事なのが、上に載っているメガドライブ側も同じ年数ぶん劣化しているということ。下だけ直して喜んでいると、一週間後に上が落ちます。二台まとめて見ないと、直したことになりません。

⑤ 改造メモ — これは、自分でやらないほうがいい回です
やることは決まっています。表面実装コンデンサの総取り替え、液漏れ跡の中和と洗浄、パターンの導通確認、レギュレータの交換、レールとギアのグリスアップ。
ただ今回ばかりは、正直に書きます。これはご自宅でやらないほうがいいです。表面実装の部品は足が短くて熱の逃げ場がなく、力を入れすぎると銅箔がめくれて配線ごと持っていきます。しかも侵された基板は、見た目がきれいでも中で切れていることがある。
もし押し入れにあるなら、動くうちに、あるいは動かないと気づいた時点で持って来てください。早ければ早いほど、残っている銅箔が多いので(^^)

だから今のスマホも直せます
メガCDは、勝てなかった機械です。十人に一人。それでもやったことは、回転も拡大縮小も動画もCD音源も、全部そのあと当たり前になった技術でした。先を見た機械ほど、先に自壊する。連載の裏テーマとしてこれ以上ないくらいの一台なんですよね。
で、修理屋としての落ちはここです。三十年前の基板を溶かしているのは、最先端の部品じゃなくて、ただのコンデンサ1個だったりする。
今のスマホでも同じことが起きています。膨らんだバッテリーを放置して端末を押し入れに入れると、中で液が回って基板が死にます。バッテリー交換を「まだ使えるから」と先送りするのが一番損なんです。
直すか、値段がつくうちに買取に出すか。どちらでも構いません。とりあえず押し入れから出して、お近くの店舗へ持って来てください。金額の目安は修理料金表にあります。

明日の土曜は実話のほう。父が撮って残していた、カートの動画の話です。
スマホ119は沖縄県内に8店舗を構えるスマホ・iPhone修理店です。スマホだけでなく、ゲーム機(Switch・PS・3DS・PSP等)の修理・買取も承っています。
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