スマホ119

専務ブログ

沖縄のスマホ修理のお医者さん

スマホ119 専務の現場ノート

専務ブログ現場から、次の119へ。

壊れたiPhoneを自分で直したあの日から、修理ひと筋で11年。いまは専務として全店舗の現場を回り、仲間の技術と心に火をつけるのが仕事です。スマホ119を責任持って引っ張っていく覚悟と、現場で起きているリアルを、そのまま書いていきます。

専務スマホ119 専務 富村 レオ
  • 修理歴 11たたき上げ
  • 8 店舗現場を統括
  • 育てる仲間と技術
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専務の富村レオが店舗の作業台でスタッフ2人に修理技術を指導しているイラスト 背中で教えて、言葉で渡す。
13歳、自分のマシンが来た日|父と、機械と、沖縄と③
2026.09.19 0

こんにちは!スマホ119で専務をしています、富村レオです(^^)

土曜日はレトロゲームの図鑑をお休みして、実話のほうを書いています。「父と、機械と、沖縄と」の第3話。

うちの父は、とにかく撮る人でした。おかげで、僕が12歳から16歳まで乗っていたレーシングカートの映像が、今もYouTubeに残っています。第1話に書いた、12歳のころにククルサーキットで転がった日の映像も、消さずにそのまま置いてある。かっこ悪いところまで残っているのが、うちらしいというか(笑)

今日はその中の1本の話です。タイトルは「納車」。

13歳で自分のレーシングカートが届いた日から今の修理の仕事につながることを描いた4コマ漫画

自分のマシンが来た

13歳のころ、僕のところに自分のカートが来ました。

INTREPID という名前のマシンです。

13歳で「納車」という言葉を使うことになるとは思っていませんでしたけど、動画のタイトルにはちゃんとそう書いてある。父の記録は容赦がないんですよね(笑)

その日の映像はこちら

で、当時いちばん大きかった変化は、性能でも見た目でもありませんでした。

これは自分のだ、ということ。

借りている機械は返します。だから、うまくいかなかった日は「今日は機械の日じゃなかった」で片づけることもできる。自分のマシンだと、それができない。良かったことも悪かったことも、全部そのままこっちに戻ってくる。

13歳の僕がそこまで言葉にできていたかは怪しいです。ただ、シートに座ったときの「あ、これ全部僕の責任なんだ」という感じは、けっこう鮮明に残っています。

白と蛍光緑のレーシングカートがトラックから降ろされる朝の情景イラスト

そこから、時計だけを相手にした

同じ年、2011年8月27日の映像も残っています。タイトルは「タイトラ」。タイムトライアルの略ですね。

タイムトライアルって、隣に競争相手がいないんですよ。相手は時計だけ。

これ、地味に残酷な遊びです。人のせいにできないので。抜かれたわけでも、ぶつけられたわけでもない。ただ数字が出る。前より速いか、遅いか。それだけ。

そしてコンマ1秒は、体の動かし方だけでは出てきません。

機械が今どういう状態なのか、こっちが分かっていないと詰められないんです。走る側と機械の側、両方が分かって、はじめて数字が動く。逆に言うと、数字が動かないときはどちらかを分かっていないということ。

13歳のころの僕はそれを言葉じゃなくて、時計に教えてもらいました。けっこうスパルタな先生ですよ、あれは(笑)

あと、同じ一台に乗り続けることの意味も、あとになって分かりました。毎回ちがう機械に乗っていたら、速くなったのが自分なのか機械なのか区別がつかないんですよ。同じマシンだから、変わったところだけが数字の差になって出てくる。

タイムトライアルは相手が時計だけであることを示した図解

今から見ると、あれは修理の練習でした

測って、直して、また測る。

いま毎日やっていることが、まさにこれなんですよね。

お店で端末を預かったとき、最初にやるのは分解じゃなくて計測です。バッテリーなら最大容量の%、充電中の電流、電圧。ここを見ないまま部品を替えると、直したつもりで終わってしまう。

「なんとなく調子が悪い」を「数字ではこうなっている」に翻訳する。そこからが修理です。

で、交換したらもう一度測る。数字が戻っていなければ、原因は別のところにあったということ。ここで面倒がらずにもう一周ぶん考えられるかどうかが、たぶん腕の差です。

コンマ1秒を削る作業と、%を戻す作業。使っている頭は、たぶん同じです。

ゲーム機の修理でも変わりません。ボタンが効かないと言われたら、まず本当に効いていないのかを確かめる。効いていないなら、信号がどこまで来ているのかを順番に追う。勘で部品を替えにいくのが、実はいちばん遠回りなんです。

測って直してまた測るという繰り返しを示したループ図
修理の現場で最初に測る数値を並べた図解

自分の機械が言うことを聞かない、あの感じ

もうひとつ、自分のマシンを持って良かったと思っていることがあります。

機械が思いどおりに動かないときの、あの落ち着かない感じを知っていること。

カウンターで割れた画面のスマホを受け取るとき、お客さんの顔にそれが出ているのが分かります。焦りと、ちょっとの後悔と、「これいくらかかるんだろう」という不安。全部まとめて顔に出ます。

スマホは、もう体の一部みたいなものですからね。写真も連絡先も仕事も入っている。壊れた瞬間に手が止まるのは当たり前です。

だから「大丈夫ですよ、直せます」の一言は、けっこう本気で言っているつもりです(^^)

夕方のサーキットでヘルメットを抱えた少年の後ろ姿のイラスト

記録が残るということ

正直、当時の父の「全部撮る」には、ちょっと参っていた記憶もあります(笑)

でも15年近く経って、こうしてブログのネタになっている。あのとき撮っていなければ、僕の中では「なんか昔カートやってたな」で終わっていたはずです。

記録は、あとから意味を持つ。

うちが修理のたびに作業前後の状態を残しているのも、たぶん同じ理屈です。あとで効いてくるので。

バッテリーの持ちが気になる方はバッテリー交換のページに測り方の話も書いています。料金は修理料金表、県内8店舗の場所は店舗一覧からどうぞ。

次回の土曜は第4話。2013年6月、15歳のころの3週間の話をします。


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