スマホ119 専務の現場ノート
専務ブログ現場から、次の119へ。
壊れたiPhoneを自分で直したあの日から、修理ひと筋で11年。いまは専務として全店舗の現場を回り、仲間の技術と心に火をつけるのが仕事です。スマホ119を責任持って引っ張っていく覚悟と、現場で起きているリアルを、そのまま書いていきます。
- 修理歴 11年たたき上げ
- 全 8 店舗現場を統括
- 育てる仲間と技術
背中で教えて、言葉で渡す。
こんにちは、専務の富村レオです(^^)
据置図鑑の第17回。今日はPlayStation 2です。
この機械、店に持ち込まれる相談の中に、初めて聞くと「え、そんなことある?」となるやつがあります。
「DVDのソフトは動くのに、初代PSのCDだけ読まないんです」
逆のパターンもあります。片方だけ死ぬ。壊れ方として中途半端すぎて、故障だと思われないことすらある。
あれ、ちゃんと理由があるんですよ。今日はそこから始めます。

①あの頃 — 2000年3月4日、39,800円
発売は2000年3月4日。定価39,800円(税抜)。
この日付、実は狙って選ばれています。平成12年3月4日。1・2・3・4。
知ったとき、ちょっと笑いました。あの黒くて硬派な見た目の裏で、そんな遊び心が動いていたのかと(笑)
そのころ僕は2歳。2歳3か月です。当然、記憶はゼロ。
ただ、うちは父が新し物好きな家で、気づいたら新しい機械が家にあるという環境でした。だから僕にとってPS2は「買ってもらった記憶がある機械」ではなく、気づいたらそこにあった機械のほうです。
もうひとつ大事な話を。この機械、当時としては安いDVDプレイヤーでもありました。ゲームを買わない家でも映画を観るために置かれた。日本にDVDが広まった背景を語るとき、この黒い箱は外せないんですよね。
②遊んでた — 2001年に、3本まとめて来た
ファイナルファンタジーX(2001)。シリーズで初めてフルボイスになった作品です。文字を読むRPGから、キャラクターの表情で芝居を見せるRPGへ変わった瞬間。声が付くと、間の取り方まで演出になる。
グランツーリスモ3 A-spec(2001)。実在の車をそのまま持ち込んだリアル系レース。PS2の描画力の看板みたいなソフトでした。
メタルギアソリッド2(2001)。見つからないように進む潜入アクション。売りは敵の反応の細かさで、「相手が自分をどう認識しているか」を読むゲームなんですよね。撃つより隠れるほうが難しい。
この3本が同じ年に出ている。2001年、なかなかの密度です。

③開けてみる — 1台に、読み取り条件が2つ入っている
中身はEmotion EngineとGraphics Synthesizer。積んでいるのはDVD-ROMドライブです。
ここが今日の本題。PS2は初代PSとの互換のために、CDも読まないといけない。つまり1台の中に、性質の違う読み取り条件が2種類同居しているんです。
厚型はトレイ式で電源が本体に内蔵。薄型(SCPH-70000以降)は外部のACアダプタになりました。厚型のトレイはモーターと樹脂ギアとレールで動いていて、そこにグリスが塗ってあります。
あと、機種によっては内蔵時計用のボタン電池(CR2032)を持っています。一昨日の電池の回で書いたやつが、ここにも出てきます。

④今、壊れるとこ — 片方だけ死ぬ理由
で、冒頭の話に戻ります。
ディスクを読むレーザーは、CDとDVDで波長が違います。ひとつのピックアップ(KHS-400B/400C系が有名です)が両方を担当しているんですが、劣化の進み方は同じじゃない。だから片方から先に落ちる。
「DVDは読むのにCDだけ読まない」は、故障の途中経過なんですよ。放っておけば、いずれ両方読まなくなります。
他に多いのはこのあたり。
- トレイが途中で止まる・勝手に戻る・出るのが遅い。樹脂ギアの摩耗と、グリスが固まったのが原因。読み込み以前にトレイで止まっている個体、本当に多いです
- ドライブの傾き(角度)のずれ。ディスクとレーザーの位置関係が狂うと、当然読めなくなります
- 厚型の電源部のコンデンサ劣化。電源が本体に入っている分、熱を抱えている
- 内蔵時計の電池切れ。電源を入れるたびに時計がリセットされる
- 薄型はACアダプタが先に死ぬ。本体は無事なのに動かない、というやつ

⑤改造メモ — たいていは、掃除で戻る
やることの優先順位はこうです。
- トレイのギア清掃とグリスアップ。まずこれ。ドライブの話をする前に、動きが渋いだけの個体をかなり救えます
- ピックアップの交換と、レーザー出力・傾きの調整。ここは正直、道具と経験がいります。出力の半固定抵抗を回す話がネットにありますが、回しすぎると戻せません。うちは持ち込んでもらう前提でお願いしています
- 電源部と基板のコンデンサ交換
- 内蔵ボタン電池の交換
- コンポーネント出力+アップスケーラでHDMI化。プログレッシブに対応したソフトなら、効果がはっきり出ます
ちなみに本体側の起動まわりをいじる改造は、法的にグレーな部分を含みます。だからこの連載では扱いません。物理的な修理と調整で直す、という線でやっています。

だから今のゲーム機も直せます
光学ドライブのグリスが固まる。レーザーが弱る。電源部のコンデンサが抜ける。アダプタが本体より先に死ぬ。
25年前の黒い箱で起きていることが、今のゲーム機でもそのまま起きています。ディスクを吸い込まない、途中で吐き出す。相談の中身は世代が変わっても驚くほど変わらないんですよね(PS修理)。携帯機はSwitch修理のページに。
費用の目安は修理料金表をどうぞ。
あと、これだけは言わせてください。「読まないから捨てる」の前に、一度見せてほしい。トレイのグリスが固まっていただけ、という結末が普通にあります。処分を決める前にスマホ買取で査定に出してもらえたら嬉しいです。

次回は、日本で47万台しか売れなかった機械の話をします。惨敗機なのに、今の全部のゲーム機がこいつの真似をしている。そういう回です。
スマホ119は沖縄県内に8店舗を構えるスマホ・iPhone修理店です。スマホだけでなく、ゲーム機(Switch・PS・3DS・PSP等)の修理・買取も承っています。
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