スマホ119 社長の手記
社長ブログ視点と、本音と、物語。
修理の話より、その奥の話を。息子の割れたiPhoneを自分で直した日から、沖縄で店を続けてきた僕が、現場で考えたこと・好きなモノづくりのこと・うまくいかなかった日のことまで、飾らずに書き残していきます。
手を動かした分だけ、書ける。
▼ この記事を、ショート漫画にしました(タップで再生・音が出ます)
皆さまこんにちは!スマホ119の富村です^^)
昨日は防災の日で、電池を点検しましょうという実用の話を書きました。今日からは、ちょっと毛色の違うことを始めます。
今年の2月に、僕は本を1冊出しました。『仕組みは、人を信じるために作る』。全100章、427ページ。我ながら分厚い(笑
これを、9月のあいだ少しずつ開いていこうと思っています。
具体的には第Ⅰ部。第1章から第10章までを、一章ずつ。

第Ⅰ部のタイトルは「現場の問題に気づく」
本は8つの部に分かれていて、その最初がここです。
部の扉には、こう書きました。
なぜ現場は疲弊するのか。属人化という『見えない借金』に気づくところから、すべてが始まる。
書いたときは、我ながらきつい言い方をしたなと思いました。もう少し丸い言葉はないものかと、何度も直そうとしたんです。
でも、これ以外の言い方が見つからなかった。

なぜ「借金」なのか
借りたお金は、返さなければ利息がついて増えていきます。誰も催促してこなくても、勝手に増える。
属人化も、まったく同じでした。
「あの人に聞けば分かる」で回っている仕事は、その瞬間はいちばん速いんですよ。だから気持ちがいい。仕組みを作るより、聞いたほうが早いですから。
でも、その速さは借りているだけです。返していない。
しかも帳簿には一円も載りません。決算書のどこを探しても「属人化 ◯◯円」なんて行はないでしょう。だから見えない。
見えないまま、静かに増えていきます。うちも、ずいぶん膨らませました。
厄介なのは、この借金が悪意ゼロで生まれることなんですよ。
というより、善意から生まれます。できる人ほど、聞かれたら答えてしまう。困っている後輩を放っておけない。目の前の一件を早く片づけたい。全部、いい人の行動でしょう。
その積み重ねが、一人の頭の中にしか無い手順を作っていく。誰も悪くないのに、会社としては危うい形になっていく。ここが本当に厄介なところ。

請求書は、その人が休んだ日に届く
じゃあ、いつ気づくのか。
その人が休んだ日です。
熱を出した。家庭の用事が入った。それだけで現場が止まる。お客さまを待たせて、他のスタッフが謝って、店じゅうが疲れる。
このとき経営者がやりがちなのが、休んだ人を責めることなんですよね。
僕もやりました。心の中で、ちょっとだけ。
でも悪いのは休んだ本人じゃない。その人ひとりに全部を積み上げてきた僕のほうです。あれが、借金の請求書でした。
おもしろいもので、返済を始めると景色が反転します。「あの人が休んでも回る」は、その人を軽く扱うことじゃない。その人を返済装置から下ろしてあげることなんです。

返し始めたサインは、地味です
借金が減っていくとき、劇的な何かが起きるわけではありません。
質問が減る。叱る回数が減る。同じミスの再発が減る。
それだけ。数字が跳ねるわけでも、誰かが感動するわけでもない。
この地味さに耐えられるかどうかが、たぶん分かれ目でした。派手な打ち手のほうが楽しいですから、経営者は。
もうひとつ、僕が目印にしているサインがあります。
新しく入った人の顔が、早く軽くなること。
手順が決まっている現場は、新人が「何を聞いたら怒られるんだろう」と探らなくて済むんですよね。覚えることの量はむしろ増えるのに、表情のほうは先にほどけていく。あれを見ると、ああ、返せてるなと思います。

僕の帳簿にも、まだ残高があります
正直に書いておきます。
うちの現場は、受付も料金の伝え方も在庫の動かし方も、かなり仕組みに移せました。誰がシフトに入っても同じ手順で動きます。現在(2026年時点)の直営8店舗が回っているのは、そのおかげです。
でも、返せていない借金があるんですよ。
社長業です。
新しいことを決める、人を口説く、途中で方向を変える。ここはまだ僕にしか残高がない。本を書きながら、いちばん大きな属人化は自分だと気づいてしまいました。書かなきゃよかった(笑
9月は、その借金の棚卸しをする月にします。
なぜ本の中身をブログで書くのか、とも聞かれそうなので先に書いておきますね。
本は、買ってもらわないと読めません。でもここなら、うちのスタッフも、同じくらいの規模で会社をやっている人も、通りすがりの人もタダで読めます。
それに、書いた本人が読み返して「ここは違ったな」と思う箇所も、正直に出てきているんです。今月はそこも隠さずに書きます。本を売りたいだけなら黙っておくところなんですが、まあ、そういう性分なので(笑

明日は第1章、「すべては現場から始まった」。息子が画面をバキバキにして帰ってきた夜の話から始めます。
各章に4コマ漫画を入れてあって、一章はだいたい3分で読めます。中身はBOOKのページに。そして本業のスマホのお困りごとは店舗一覧からどうぞ。
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