スマホ119 社長の手記
社長ブログ視点と、本音と、物語。
修理の話より、その奥の話を。息子の割れたiPhoneを自分で直した日から、沖縄で店を続けてきた僕が、現場で考えたこと・好きなモノづくりのこと・うまくいかなかった日のことまで、飾らずに書き残していきます。
手を動かした分だけ、書ける。
皆さまこんにちは!スマホ119の富村です^^)
土曜日にする話ではないかもしれませんが(汗)今日は第Ⅱ部の第12章、「怒らなくていい現場は、作れる」です。
今回の芯はひとつ。誰かに腹が立ったとき、先に疑うのは「その人」ではなく「流れ」ではないか、という話です。
あの日の、僕の後悔
本には、開業して間もない店で、受付の確認が抜けたまま端末を預かってしまった新人に、僕が裏で強い言葉をぶつけたことを書きました。あとでお客さまから大きなご指摘をいただいて、頭に血が上ったんです。
新人は泣きそうな顔をしていました。ここは今でも、思い出すと胸がちくっとします。

「飛ばせる設計」だったという事実
落ち着いて考えると、確認の手順は僕の頭の中にしか無かったんですよね。紙にも、仕組みにもなっていない。つまり、飛ばしたのは新人というより、飛ばせる作りのまま現場に出していた僕の側でした。
怒る相手を、間違えていたんです。
同じ構造は、家庭にも職場にもたくさんあると思います。「宿題やったの!」と叱る前に、やる時間と場所が決まっていたか。「報告が遅い」と言う前に、誰に・どこへ・いつまでに伝えればいいか、決まっていたか。
決まっていないものを守れなかった人を叱っても、次の人がまた同じ場所で転びます。
怒っている最中は、自分のほうが正しいと感じるものです。実際、確認を飛ばしたのは事実でした。でも「事実として間違っている」ことと「叱って直る」ことは、別の話なんですよね。叱って直るのは、本人が分かっていて、うっかりした場合だけ。仕組みが無いまま叱っても、次の人が同じ道を通ります。

怒りの下にあるのは、余裕のなさ
本には、怒っている人の多くは、本当は怒りたいわけじゃなく、余裕がないだけなんだ、とも書きました。今もそう思っています。
では、余裕を奪うのは何か。人柄より、流れの「詰まり」のほうが大きいというのが、僕の見立てです。必要な情報が手元にない。どちらにするか判断がつかない。誰に聞けばいいのかも分からない。こうした詰まりが積もると、声が大きくなったり、ミスを隠したくなったりします。
派遣会社の時代にも、怒る場面が日常になると、人はミスを報告しなくなりました。隠されたミスは、あとで大きくなって戻ってきます。嫌なループです。

直したのは、性格じゃなく流れ
僕は「もう怒らない人になろう」と決意する方向には行きませんでした。性格を変えるのは難しいですし、決意は続かないので。かわりに、流れのほうを変えました。
受付で確認する項目を一覧にして、ひとつでも抜けたら先へ進めない形にする。預かる前の端末の状態は、写真で残す工程を足す。判断に迷ったらアキラへ、つかまらなければ僕へ電話。やったのは、このあたりです。
確認を飛ばさないことを、人の注意力や気合いに任せない。ここがいちばん大きな転換でした。注意力は、疲れた日や忙しい日に必ず落ちます。落ちても大丈夫な形にしておくのが、仕組みの役目だと思っています。
どれも派手ではありません。でも、人ががんばらなくても抜けない形にしておくと、怒る場面そのものが減っていきます。

詰まりが減ると、言いやすくなる
詰まりが減ると、現場の空気がふっと軽くなります。空気が軽いと、「すみません、これ違っていました」と言い出しやすい。言えたミスは、その場で止まって、次の人も同じところで転ばずに済みます。
「怒らなくていい現場は、甘い現場じゃない。むしろ強い。」
ここは言い切っていいと思っています。ミスが起きない現場ではなく、ミスが起きても静かに共有される現場のことです。

逆の側のことも、書いています
今回は、怒ってしまった上司の側の話でした。反対に、「やらかしました」と言いに来てくれた人を、詰めなかった夜のことは第7章に書いています。二つ並べて読むと、同じ場面を両側から眺められます。
うちの店にも、頭の中にしかない手順は、まだ残っているはずです。腹が立った日は、まず「この人が転んだ場所に、段差はなかったか」と考える。僕は今日も、そこから始めます。

明日は第13章「説明が多い現場は、危ない」。30ページのマニュアルが、付箋だらけになった話です。
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