スマホ119 社長の手記
社長ブログ視点と、本音と、物語。
修理の話より、その奥の話を。息子の割れたiPhoneを自分で直した日から、沖縄で店を続けてきた僕が、現場で考えたこと・好きなモノづくりのこと・うまくいかなかった日のことまで、飾らずに書き残していきます。
手を動かした分だけ、書ける。
皆さまこんにちは!スマホ119の富村です^^)
昨日は趣味の回でしたが、今日は本に戻ります。第16章「誰かの善意に頼らない」です。
先に、ひとつ質問させてください。あなたの職場に、「あの人がいない日は、正直キツい」と言われる人はいませんか。家庭なら、気づいたら全部やってくれている人でも構いません。

その一言は、褒め言葉の顔をしたSOSだった
ナナから「アキラさんがいない日、ちょっとキツいです」と聞いたとき、最初に浮かんだのは「頼りにされていてよかったな」ではなかったんです。背筋が、すっと冷えました。
アキラは本当に頼れる右腕。だからこそ、その一言は「アキラがすごい」という感想ではなく、「現場の設計に穴がある」という知らせだと受け取りました。
褒め言葉の形をしていると、人はつい喜んでしまいます。けれど、一人の不在で現場が揺れるなら、それは強さではなく、寄りかかりのサインです。

頼りにされる人ほど、静かに荷物が増えていく
気づいて動く人は、現場にとってありがたい存在です。ありがたいから、周りは無意識に頼ります。頼られた本人は、断るのが苦手だったりします。善意でやっていることだから、疲れたとも言い出しにくいんですよね。
しかも善意の仕事は、評価表にも勤務表にも載りません。載らないものは、「無かったこと」として扱われがちです。ここがいちばん厄介なところだと、今は思っています。
たとえば家庭でも、「気づいた人が洗い物をする」という暗黙のルールは、気づく人が一人だと、その人の我慢で成り立ちます。仕事でも家でも、構造は同じです。
昔の会社でも、立ち上げの頃は善意で回っていたのに、人が増えるにつれて一部の人へ負荷が偏っていきました。優しい人ほど、先に疲れる。

善意を「足し」にするか、「土台」にするか
同じ善意でも、置き場所で現場の強さが変わります。
最低限の質を仕組みで受け止めておいて、その上に善意が乗るなら、現場は一段高くなります。逆に、善意を最初から数に入れて組んでしまうと、その人が疲れた日に、現場ごと下がってしまう。
これは点数のたとえで考えると分かりやすいのですが、大事なのは数字そのものではありません。人が悪いのではなく、置き方の問題だということです。善意の人を責める話にも、善意をあてにしない話にも、したくありませんでした。

「気づいた人がやる」を、「この時に必ずやる」に
やったことは単純で、気づく力に頼っていたところを、時と手順に置き換えただけ(笑
たとえば新人さんへの声かけは、「気づいた人が見てあげる」ではなく、区切りのタイミングで、誰がシフトに入っていても確認が入る形に。お客さまを待たせる場面も、「気が利く人が声をかける」ではなく、時間を決めて必ず状況をお伝えする形にしました。
ちなみに、本に書いた回数や分数は、あくまで本の中の例です。今のお店の全部のルールをそのまま書いたものではありません。大切なのは数字ではなく、誰が立っていても同じ場面で同じことが起きる、という点。

冷たい仕組み、ではなく、人を守る仕組み
こう書くと、仕組みは冷たく聞こえるかもしれません。でも僕の中では逆です。
本には、アキラに「気を利かせなくても回る現場にするから、その分、もっと大きなことに頭を使ってほしい」と伝えたと書きました。彼が笑って「楽になります」と返してくれた。あれが答えでした!
優しさを使い切らせないために、優しさを頼りにしない。これは、人への信頼を減らすことではなく、守ることだと考えています。

「あの人がいない日」の絵を、先に描いておく
「善意は補助。仕組みは土台。」この順番だけは、入れ替えないようにしています。
頼る側は、頼っている自覚が薄いものです。経営者の僕も、その立場になりやすい。だから、仕組みの話は、まず自分の癖を疑うところから始まると思っています。
冒頭の質問に戻ります。あなたの職場の「あの人」が明日お休みだったら、何が止まりそうですか。止まりそうなものが見えたら、それが仕組みで受け止める最初の候補。
小さな一歩としては、「あの人にしかできないこと」を紙に書き出してみる方法があります。書いてみると、意外と手順に落とせるものが混ざっているんです。全部を一度に直さなくて大丈夫(笑 一つ減るだけで、その人の肩は軽くなります。
ちなみに、判断が一人に集まる側の話は、第2章の「できる人」に頼るのをやめた日に書きました。あちらは判断の話、今日は優しさの話です。
本の中身はBOOKのページに、お近くの店は店舗一覧にあります。
明日は第17章「忙しい=うまくいっている、ではない」です。
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