スマホ119 専務の現場ノート
専務ブログ現場から、次の119へ。
壊れたiPhoneを自分で直したあの日から、修理ひと筋で11年。いまは専務として全店舗の現場を回り、仲間の技術と心に火をつけるのが仕事です。スマホ119を責任持って引っ張っていく覚悟と、現場で起きているリアルを、そのまま書いていきます。
- 修理歴 11年たたき上げ
- 全 8 店舗現場を統括
- 育てる仲間と技術
背中で教えて、言葉で渡す。
こんにちは!スマホ119で専務をしています、富村レオです(^^)
据置図鑑、今日は寄り道の番外編です。
ファミコンでもスーファミでもメガドライブでも、カセットが映らないときに全員がやったあの動作。
フーッ。
息、吹いてましたよね(笑)
僕は生まれる前の機械なので、あれは「儀式」として教わった側です。中古で手に入れたソフトが映らなくて、吹いたら映った。素直に感動しました。
で、修理屋になってから知ったんですよね。あれ、寿命を前借りしていただけだった。

息が効くのは本当。効き方が最悪なだけ
吹いた直後に映る理由ははっきりしています。水分が端子表面の汚れを一瞬だけ溶かして、導通が戻るから。だから体感の「効いた」は正しいんです。
問題は、その息に何が混ざっているか。
唾液の微粒子。水分だけならまだしも、唾液には塩化物イオンや酵素が入っていて、しかも弱酸性です。金属から見たら、ほぼ攻撃(笑)
カセットの端子は金メッキ。金は錆びないから採用されているわけですが、あのメッキ、想像よりずっと薄いんですよ。しかも微細な穴(ピンホール)が開いている。そこから水分と塩分が下地のニッケルや銅まで届くと、電気化学的な腐食が静かに始まります。
今日の一吹きが、来年の接触不良を作っている。そういう話。

そもそも、あの金色は「基板の端っこ」です
ここが一番大事なところ。
カセットの端子って、別パーツの金属板が貼ってあるわけじゃないんです。中の基板そのものの端を金メッキして、そのまま端子にしている。カードエッジコネクタという構造です。
だから削れば下地が出るし、剥がれた金メッキは二度と戻らない。「磨けばいい」と思ってはいけない理由は、全部これに尽きます。
ちなみにピン数は機種でバラバラで、ファミコンが60ピン、スーパーファミコンが62ピン、メガドライブが64ピン、NINTENDO64が50ピン。当たり面の広さが違えば、酸化の出方にも機種ごとのクセが出ます。

消しゴムがダメな理由は、3つあります
ネットでよく見るやつ。あれ、うちははっきり止めています。
- 研磨剤が入っている。薄い金メッキを削り落として下地を出す。一度だけピカピカになって、その後は毎年悪くなる
- ゴム片と可塑剤(油分)が残る。ゴムは絶縁物なので、端子に残ったら導通の邪魔そのもの
- 消しカスがスロットの奥に落ちる。カセットを直したつもりで本体を壊す
砂消しゴム、紙やすり、金属ブラシ、スチールウール。この辺はもう論外です。
一回だけきれいになるのが、いちばんタチが悪いんですよね。効いたと思って翌年もやるので。

正しい掃除は、びっくりするほど地味
うちがやっている手順、そのまま書きます。
- 無水エタノール(99.5%以上)かイソプロピルアルコールを使う。消毒用エタノールは水分が約2割残るので不可
- 綿棒に含ませて、端子を一方向へ軽く拭く。往復でこすらない
- 綿棒が黒く汚れたら替える。汚れた面で拭き直すのは、汚れを塗り広げているのと同じ
- 完全に乾いてから挿す。数十秒で飛びますが、待つ
やってはいけない側も一応。水拭きとウェットティッシュ(水分と界面活性剤が残ります)、接点復活剤の吹きっぱなし、それから素手で端子をつまむこと。皮脂は酸化を早めます。

掃除しても直らないなら、犯人は本体側
ここからが修理屋の話。
接触不良の原因は2つあります。カセット側の酸化と、本体スロット側のコンタクト(バネ)のへたり。
抜き差しを何百回も重ねたバネは、必ず弱ります。カセットをどれだけ磨いても、受け側が押さえてくれなければ通じない。ここを知らずにソフトばかり掃除して、直らないと嘆いている方が本当に多い。
奥のバネは綿棒が届きません。そこから先は店の仕事です。コネクタごと交換してしまえば、40年物のファミコンでも接触不良のほとんどは消えます。
動かないと思って処分される実機、多いんですよ。捨てる前にスマホ買取のページから相談だけでもどうぞ。ゲーム機とソフトも見ています。

これ、スマホの充電口とまったく同じ話です
充電ケーブルがぐらつく。イヤホンが認識しない。途中で充電が止まる。
原因はほぼ同じで、端子の酸化とホコリ、そして受け側の接点のへたり。原理としてはカセットと一段も違いません。
ただスマホの充電口はカセットより奥が深くて狭いので、綿棒どころか爪楊枝も届かない。むしろ突っ込んで端子を曲げる事故のほうが多いんです。ここもプロの道具の出番。料金は修理料金表に載せています。
30年前のカセットを直す理屈と、今日のiPhoneを直す理屈が同じ。この連載でずっと言いたいのは、結局そこなんですよね(^^)
次回は据置図鑑⑩、3DO REALです。家電メーカーが作ったゲーム機の話をします!
スマホ119は沖縄県内に8店舗を構えるスマホ・iPhone修理店です。スマホだけでなく、ゲーム機(Switch・PS・3DS・PSP等)の修理・買取も承っています。
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