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沖縄のスマホ修理のお医者さん

スマホ119 専務の現場ノート

専務ブログ現場から、次の119へ。

壊れたiPhoneを自分で直したあの日から、修理ひと筋で11年。いまは専務として全店舗の現場を回り、仲間の技術と心に火をつけるのが仕事です。スマホ119を責任持って引っ張っていく覚悟と、現場で起きているリアルを、そのまま書いていきます。

専務スマホ119 専務 富村 レオ
  • 修理歴 11たたき上げ
  • 8 店舗現場を統括
  • 育てる仲間と技術
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専務の富村レオが店舗の作業台でスタッフ2人に修理技術を指導しているイラスト 背中で教えて、言葉で渡す。
3DO REAL|家電メーカーが作ったゲーム機|専務の据置図鑑⑩
2026.09.14 0

こんにちは、専務の富村レオです(^^)

据置図鑑⑩。今日は3DO REALをやります。

ゲーム機の歴史をまとめた記事だと、たいてい「高すぎて負けた機械」の一行で片付けられている。もったいないんですよ、これ。この機械がやろうとしたことは、当時よりも今のほうがよっぽど分かりやすい。

家電として売られた3DO REALを修理店で開ける様子を描いた4コマ漫画

①あの頃 ― ゲーム機ではなく、家電として売られた

発売は1994年3月20日。作ったのは松下電器で、型番はFZ-1。

価格は発表の時点で79,800円、実際に店頭に並んだのが54,800円でした。消費税が3%の時代で、当時は税別表示が通例です。同じ年の11月11日には後継のREAL II(FZ-10)が44,800円、10月1日には三洋の3DO TRYが54,800円で出ています。

僕は1997年12月生まれなので、これも生まれる3年前の機械。触ったのはずっと後になってからです。

で、面白いのが売り方。これ、ゲーム機として売っていないんですよね。インタラクティブ・マルチプレイヤーという肩書きの、家電。テレビやビデオデッキの隣に置く箱、という顔で店頭に並びました。

ゲーム機ではなく家電としてリビングに置かれた据置機のイラスト

②遊んでた ― と書いたら嘘になるので、正直に

生まれる前の機械に「当時ハマった」と書くのは違うので、そこは正直にいきます。僕にとっては完全に図鑑の中の機械です。

それでもソフトの並びは、今あらためて見ると異様。アーケードの対戦格闘だったスーパーストリートファイターII X、ホラーアドベンチャーのDの食卓、ポリスノーツ、海外産のアローン イン ザ ダーク。

ジャンルはバラバラなのに、共通しているのが「CDの容量と映像で見せる」という方向。1994年の時点でこの並びだったのは、中身のチップを見ると納得がいきます。

③開けてみる ― 中身より、作りの素直さに驚く

CPUは32bit RISCのARM60が12.5MHz。グラフィック側にClioというチップを積んでいて、当時のIBM-PCより動画とスプライトが強い構成でした。CD-ROMドライブ搭載、電源は内蔵。

ただ、僕が開けて毎回思うのは性能の話じゃないんです。

重い。堅い。ネジがそろっている。

基板とドライブが素直に分かれて、順番どおりに外れる。ゲーム機というより、ビデオデッキを開けている感覚に近いんですよ。家電メーカーが自社の工場で作った箱、という手触りがはっきりある。

規格だけを共通にして複数の家電メーカーが本体を作る仕組みの図解

そして本当の主役は、たぶん中身より売り方でした。米3DO社は自社でハードを作らず、規格だけをライセンスする。松下、三洋、LG。各社が自分の工場で自分の3DOを作る。ソフトのライセンス料はほぼ取らず、ハードで稼ぐ。

ハードは各社が自由に作れ、規格だけ共通にする。これ、今のスマホの世界そのままじゃないですか。

④今、壊れるとこ

症状はほぼ一本道です。

  • ディスクを読まない。ピックアップの劣化、レーザー出力の低下、レンズの汚れ。この3つが重なって出ます
  • 電源部の電解コンデンサの液漏れ。電源が入らない、入ってもすぐ落ちる
  • ローディングとトレイのグリス固着。ディスクは回るのに認識しない、トレイが渋い

作りが素直なぶん、壊れ方も素直。裏を返すと、30年経った今、いちばん開けやすくていちばん直しやすい据置機のひとつです。ここは本当に家電屋の功績だと思っています。

ディスクを読まない原因となる3つの箇所を示した内部図解

⑤改造メモ ― ひとつだけ、強く止めます

やることは地味な整備が中心。

  • ピックアップのレンズを無水エタノールで清掃
  • 電解コンデンサの交換。液漏れの跡は必ず洗浄してから、パターンの導通を確認
  • ローディング機構のグリス塗り直し
  • 出力まわりの見直し

で、ここからが今日いちばん言いたいところ。

基板の半固定抵抗を回してレーザー出力を上げる「調整」。あれはやらないでください。

ネットに手順が転がっているので手が伸びる気持ちは分かります。読まないディスクを前にすると、誰でも一回は考える。でもあれ、一度上げたら素子の寿命を確実に削る片道切符なんですよ。清掃と機構整備を全部やり切ったあとの最後の手段で、うちも原則やりません。

回す前に、持って来てほしいです。

レーザー出力を上げる半固定抵抗の調整は片道切符であることを示す警告図

負けた機械のほうが、長生きする

販売台数の数字は資料によってばらつくので、ここでは出しません。はっきりしているのは、勝てなかったということだけ。

ただ、間違っていたのは思想ではなく、タイミングと値札だったと僕は思っています。規格を共有して各社が作る、という発想そのものは30年後に当たり前になった。

そして皮肉なことに、その家電屋の設計思想のおかげで、この機械はいちばん直しやすい箱として残ったわけです。負けた側が、いちばん長生きする。図鑑をやっていると、これ本当によく起きるんですよね。

30年前の据置機と現代のスマートフォンを同じ手つきで開ける情景イラスト

光学ドライブが読まない、電源が入らない、ファンがうるさい。この順番、PS4やPS5でもまったく同じです。PS修理のページも見てみてください。料金の目安は修理料金表に載せています。

1994年の家電を開ける手つきと、今日のiPhoneを開ける手つきは同じ。ネジを数えて、順番を覚えて、戻せるようにバラす。それだけです(^^)

次回は据置図鑑⑪、PC-FX。タワー型という異端の話をします!


スマホ119は沖縄県内に8店舗を構えるスマホ・iPhone修理店です。スマホだけでなく、ゲーム機(Switch・PS・3DS・PSP等)の修理・買取も承っています。
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