スマホ119 専務の現場ノート
専務ブログ現場から、次の119へ。
壊れたiPhoneを自分で直したあの日から、修理ひと筋で11年。いまは専務として全店舗の現場を回り、仲間の技術と心に火をつけるのが仕事です。スマホ119を責任持って引っ張っていく覚悟と、現場で起きているリアルを、そのまま書いていきます。
- 修理歴 11年たたき上げ
- 全 8 店舗現場を統括
- 育てる仲間と技術
背中で教えて、言葉で渡す。
こんにちは!スマホ119で専務をしています、富村レオです(^^)
きのうのPS4の回は「掃除機みたいな音」、つまりホコリの話でした。今日は目線を手元に下ろして、コントローラー。据置図鑑の周辺機器編、1回目です。
ボタンが効かない。強く押さないと反応しない。角度を変えると、なぜか効く。
ファミコンからSwitchまで、世代をまたいで出る症状なんですよね。ゴムのボタンなら、理由はたいていボタンの下の黒い小さな粒にあります。

ボタンの下には、黒い粒と「櫛」がある
中は3段重ね。プラスチックのボタン、その下にお椀形のゴムのシート、いちばん下に基板。
お椀の裏の黒い粒は、シリコーンゴムにカーボンブラック(すす)を混ぜて電気を通すようにしたもの。電卓やテレビのリモコンと同じ仕組みです。
基板には、指を互い違いに組んだような櫛形(くしがた)の線が2本、すき間をあけて並んでいます。押すとお椀がつぶれ、黒い粒が2本にまたがって電気が流れる。これが「押された」。離せばお椀が戻ってボタンを押し返す。バネの役まで、ゴムがやっているんです。
ファミコンもスーファミも、PS2のDUALSHOCK 2もこの方式。ファミコンは僕が生まれるずっと前の機械ですけど、理屈はほとんど変わっていません。

カチッと鳴るボタンは、別の仕組み
- 導電ゴム:上の黒い粒。やわらかくて静か
- タクトスイッチ(タクタイルスイッチ):小さな金属のお椀が「ペコッ」と反転して接点に触れる。「カチッ」はその手応え。GBAのLRボタンの回で書いたのがこれ
- メンブレン:フィルム2枚に導電インクで接点を印刷し、すき間を挟んで貼り合わせた薄いスイッチ。家電の操作パネルなど
Joy-Conは、分解した技術者の報告では、ABXYのゴムのシートの下に金属ドームのスイッチ。肩のボタンは細いフィルム配線につながった小さなスイッチだそうです。
変わり種がDUALSHOCK 2の感圧。ソニーの米国特許によると、ボタン裏のゴムが円すい形で、軽く押すと先っぽだけ、強く押すとつぶれて当たる面が広がる。その差で押す強さを読んでいました。賢くないですか(笑) DUALSHOCK 4で○×□△の感圧は無くなっています。

「強く押すと効く」は、接点からのサイン
ゴムのボタンは密閉されていません。ほこりや手の皮脂、飲み物の汚れが入って、接点に電気を通さない膜ができる。
しかもカーボンの接点は、押す力で電気の通りやすさが変わります。だから強く押すと一時的に通る。黒い粒そのものも、押した回数だけすり減ります。「強く押せば効く」は、接点が弱ってきたサインだと僕は見ています。
- 効かない・角度で効いたり効かなかったり=接点の汚れ、粒のすり減り
- 1回押したのに2回入る=接点が不安定(チャタリング)
- 沈んだまま戻らない・ベタつく=甘い飲み物が乾いた糖分、ゴムの劣化
- 肩のボタンだけ(Joy-Conなど)=フィルム配線やスイッチの傷みが多い
ゴムの苦労はファミコンの時代からで、初期のAボタン・Bボタンは四角いゴム。斜めに押すと沈んで戻らず、のちに丸いプラスチックに変わったと、開発者の上村雅之さんが話しています。

家でやっていいのは、ここまで
- 本当に壊れているか確かめる。Switchは「設定」→「コントローラーとセンサー」→「入力デバイスの動作チェック」→「ボタンの動作チェック」(Switch 2は「コントローラーと周辺機器」)。押してもマークが出なければ故障の疑いです。HOMEボタンなど一部は、このチェックの対象外です
- DualSenseは公式のリセット。PS5の電源を切り、コントローラー背面の小さな穴の奥のボタンを、爪楊枝など先の細いもので3〜5秒押して、USBケーブルでつないでPSボタン
- 拭くのは外側だけ、取扱説明書どおりに
- 甘い飲み物をこぼしたら、電源を切って使うのをやめる。中まで入った汚れは、開けないと取れません
- 保証期間内なら、まずメーカーへ
拭き方は、任天堂とソニーで逆なんです。
- 任天堂:固く絞った柔らかい布で拭く。消毒ならアルコール濃度70%程度の消毒液を布に軽く含ませる。直接かけない、浸さない、乾いてから使う
- ソニー(DualSense・DUALSHOCK 4):乾いた柔らかい布。アルコールは使わない
手元の機械の説明書が正解です。カセットに息を吹く回の無水エタノールは金メッキ端子の話なので、混ぜないでください(^^)

接点復活スプレーは、ゴムに使えません
ネットでよく見る「接点復活スプレーで直る」。これ、作っている呉工業(KURE)自身が製品ページに「フレキシブルケーブル(フィルムケーブル)、導電性ゴムには使用しないで下さい」と書いています。ボタンの黒い粒は導電性ゴムそのもの。迷う余地なしです。
- すき間に水やアルコールを流し込む・水洗い。任天堂も「内部に水分が入り故障」と注意しています
- 紙やすりで黒い粒を磨く。すり減って弱る部品を、自分でさらに削ることになります
- 自分で開ける。Joy-ConやDualSense、DUALSHOCK 4はリチウムイオン電池入りの無線機器です。ソニーの取扱説明書は分解を「火災や感電、けがの原因」とし、任天堂はよそで分解した跡があると修理を断ることがあります

店で替えられるボタン
開けないと直らない段階からが、店の仕事です。
- プレステ:PS5〜初代PSのコントローラーで、○×□△と十字キーの交換。L1・L2・R1・R2はPS5・PS4・PS3までで、PS2と初代PSのL・Rは扱っていません
- Switch:ABXY、十字キー、L・R・ZL・ZRボタンの交換メニュー(Switch Liteも)。部品の在庫は機種ごとに違うので、来店前に店舗一覧の電話で確かめるのが確実です
料金と見積りの条件は、PS修理とSwitch修理のページへ。ファミコンやスーファミのコントローラーは、ご相談ください。
ボタン1個にも「つながる・離れる」の理屈がある。知っていれば、スプレー缶に手が伸びる前に止まれるんですよね。個人的には、それで救われる1台がたぶん結構あると思っています。
次回はMSX。メーカーが違っても同じソフトが動くパソコンの話をします!
スマホ119は沖縄県内に8店舗を構えるスマホ・iPhone修理店です。スマホだけでなく、ゲーム機(Switch・PS・3DS・PSP等)の修理・買取も承っています。
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