スマホ119 専務の現場ノート
専務ブログ現場から、次の119へ。
壊れたiPhoneを自分で直したあの日から、修理ひと筋で11年。いまは専務として全店舗の現場を回り、仲間の技術と心に火をつけるのが仕事です。スマホ119を責任持って引っ張っていく覚悟と、現場で起きているリアルを、そのまま書いていきます。
- 修理歴 11年たたき上げ
- 全 8 店舗現場を統括
- 育てる仲間と技術
背中で教えて、言葉で渡す。
こんにちは、専務の富村レオです(^^)
昨日はパソコン編の2台目、X68000でした。電源のコンデンサみたいに、年月がたつと傷む部品の話。
今日は30年以上いっきに飛んで、PS5のコントローラー、DualSense(デュアルセンス)です。こっちは逆で、動かした回数のぶんだけ減っていく部品の話になります。
触っていないのにキャラが歩き出す、あのドリフト。うちのPS修理のページにも書いているとおり、コントローラーでいちばん多いご相談なんですよね。

見分け方は「指を離しても、入力が残るか」
見るところはひとつだけ。スティックから指を離したのに、入力が残っているかです。
- 何も触っていないのに、キャラが歩く
- カメラが勝手に回り続ける
- メニューのカーソルがひとりでに動く
これが出ていて、下の公式の対処でも直らない。一度直っても、ぶり返す。そうなったら部品側を疑う段階です。

部品を疑う前に、ソニー公式の3つ
①ゲーム側の設定を見る。ソフトによっては、オプションにスティックの設定があるので、変えてみる。効くのはそのゲームの中だけ。PS5のメニューでもカーソルが動くなら②③へ。
②コントローラーをリセットする。先週のボタンの回にも書いた公式のリセットです。PS5の電源を切って、コントローラーの裏、SONYのロゴの右にある小さな穴の奥のボタンを、爪楊枝みたいな先の細いもので3〜5秒押す。そのあとUSBケーブルでつないでPSボタン。
③システムソフトを最新にする。USBでつないだままPS5を更新すると、コントローラーの中のソフトも一緒に更新されるんです。
地味ですけど、手順に「分解」が一回も出てこないのがいいところ(笑)

中では、こすって読む部品が少しずつ減っていく
公式の3つで直らないとき、中で起きているのがこれです。
スティックの中では、金属の接点が抵抗の膜をこすって、倒した向きを読んでいます。こすれば膜が減って、真ん中にあるのに「倒れている」と読み違える。くわしくはSwitchのスティックの回でどうぞ(^^) N64の3Dスティックの回では、膜ではなくプラスチックが削れる別の減り方と比べました。
2021年、修理情報サイトのiFixitが初期のDualSenseを分解しています。スティックはALPS(アルプスアルパイン)製で、1本のスティックに、左右を読む部品と上下を読む部品が1つずつ。ただしこれは初期の個体の話で、新しい型で部品が変わったかまでは、僕が調べた範囲では分かりませんでした。

部品メーカーの仕様だと、寿命の目安は200万サイクル、ざっくり200万回動かすぶん。iFixitは、激しくない遊び方で1分に約80回動かすとして、25,000分、つまり約417時間で届くと試算しています。1日2時間遊ぶ計算だと、約209日でこの目安の回数に届きます。届いた日に壊れる、という意味ではありません。FPS(銃で撃ち合うゲーム)のCall of Dutyで数えると1分に約100回だったそうで、そのぶん回数がかさみます。
もっと早く壊れることも、ずっと長持ちすることもある、とiFixit自身が書いています。原因も摩耗のほかに、真ん中へ戻すばねの伸びや、中にたまる樹脂の粉・ほこりがあるそうです。
DualSense Edgeは「替えられるスティック」
ドリフトの話で外せないのが、2023年1月26日発売のDualSense Edgeです。
いちばん大事なのは、スティックをモジュールごと抜き差しできること。交換用のスティックモジュールも同じ日に出ていて、公式の発表文には「ツール不要で即座に交換することが可能」とあります。
面白いのはここから。iFixitの分解だと、Edgeのスティックも読み取りは同じこする方式のままなんですよ。見方を変えると、減らない部品にしたんじゃなくて、減ったら替えられる部品にした、とも言えます。
個人的には、正直な設計だと思います。消耗品を消耗品として扱ったわけですから。Edgeなら、公式モジュールへの付け替えはソニーが想定した使い方です。
Switchの回で書いた、磁石で読む「ホールセンサー式」も、読み取りはこすれませんが、ばねや軸は残ります。「絶対にドリフトしない」とまでは言えないんですよね。

2025年11月、保証が切れたPS5の周辺機器も、有償でメーカー修理へ
2025年11月28日の発表で、それまで対象外だったDualSense Edgeなど一部の周辺機器が加わって、PS5の周辺機器はすべて、保証期間が過ぎても有償で修理・交換を受けられるようになりました。料金はソニーの修理受付のページで確かめてください。
保証が残っているうちは、まずメーカーへ。
やらないでほしいこと
①自分で開けない。2021年の分解では、通常のDualSenseのスティックは1本あたり基板に16か所はんだ付けされていました。ネジを外せば抜ける部品じゃないんです。
②外からスプレーを吹き込まない。接点復活剤もエアダスターも、隙間から吹けば直る話ではありません。PS修理のページに載せている事例に、反応が不安定なPSのコントローラーを接点クリーナーで直したものがありますが、あれは分解して、どこが悪いか確かめたうえでの作業。掃除だけのメニューがあるわけでもないです。
③メーカーに出すかもしれないなら、なおさら。ソニーはPS5本体について「分解/改造が行なわれた痕跡がある場合、修理/交換をお断りする場合があります」と書いています。コントローラーで同じ扱いかは確かめられていませんが、開ければその道が細くなるかもしれない。

スティック交換は、お店のメニューにあります
PS修理のメニューにはアナログスティック交換があります。PS5から初代PSまでのコントローラーに対応していて、料金は本体の機種にかかわらず同じです。
見積りの条件も同じページにあります。DualSense Edgeは、うちのページに載せていません。Edgeは、公式の交換用モジュールか、ソニーの修理を考えてください。
細かい部品とはんだの世界は、スマホを開けて直す僕らの本業とつながっています。公式の3つを試しても、まだキャラが勝手に歩き出すなら、開ける前にお近くの店舗へどうぞ(^^)
次回は、PS4をSSDに替えると何が変わるのか、という話です。
スマホ119は沖縄県内に8店舗を構えるスマホ・iPhone修理店です。スマホだけでなく、ゲーム機(Switch・PS・3DS・PSP等)の修理・買取も承っています。
画面割れ・バッテリー・水没・データ復旧など、お気軽にご相談ください(^^)
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